「M&A爆発」とでもいうべき積極的な企業買収を展開しているソフトフロントホールディングス(HD)<2321>。もともと、同社はM&Aにそれほど積極的ではなかった。創業した1997年にビジョン・コーポレーションとコアシステムを吸収合併。音声を符号化してパケットに圧縮変換し、インターネットでやりとりするVoIPの研究開発に乗り出した。その後は資本提携や業務提携、子会社の設立などはあったものの、M&Aは実施していない。

ところが創業から20年近く経った2016年に、一転してM&Aが本格化する。同年だけで5社を傘下に収めた。2018年5月に策定した今後3カ年の「中期経営計画」でも、「当社が培ってきた技術を他社へのM&A等の投資も含め発展させ、ボイスコンピューティングを中心としたコミュニケーション領域での事業拡大」を掲げている。今後も積極的なM&Aを展開する構えなのだ。なぜソフトフロントHDは突如としてM&Aに乗り出したのか?そこには同社が抱える大きな「問題」があった。

大学発ベンチャーが源流

ソフトフロントHDの前身であるソフトフロントは、北海道大学大学院で電子工学を学んでいた村田利文氏が大学発ベンチャー「ビー・ジー・ユー」として立ち上げたビジネスが源流。同社は地元企業の仕事をIT化する事業を手がけていたが、大日本印刷やソニーなど首都圏企業との取引が拡大。1980年代後半には、売り上げのほとんどを北海道外の企業が占めていたという。

村田氏は自らが立ち上げたビー・ジー・ユーをスピンオフし、1997年4月に札幌市でソフトフロントを設立。同8月にビジョン・コーポレーションとコアシステムを吸収合併し、VoIP事業を手がけてから業容は拡大した。

ソフトフロントの「お家芸」であるオフィス内線VoIPソリューション(ソフトフロントジャパンホームページより)