コーセー<4722>が海外事業を加速中だ。アジアで中国、韓国を中心に好調を持続し、北米では2014年に子会社化した米化粧品会社「タルト」(ニューヨーク)の業績が急拡大を遂げている。タルト買収は意外にもコーセーにとって初めての海外M&Aだが、ねらいがピタリとはまった。

4月末に発表した2026年度までの経営ビジョンでは海外売上比率を現在よりも10ポイント高めて35%にする目標を掲げた。グローバルブランドの拡充がその成否を握っている。

最高業績を更新中、営業利益率は16%

本社を置くビル(東京・日本橋)

18年3月期の売上高は13.7%増の3034億円となり、5期連続で過去最高を更新し、初めて3000億円台に乗せた。海外売上比率は4.2ポイント伸びて24.9%となった。本業のもうけを示す営業利益は484億円で、4年連続で過去最高を記録。営業利益率は16%に迫り、化粧品国内トップの資生堂の7.6%(17年12月期実績)を圧倒する。高収益企業の代表銘柄の一つに数えられるゆえんだ。

今期も売上高3250億円、営業利益560億円と連続の最高更新を見込む。7月末に発表した第1四半期(4~6月期)は国内、海外とも好調な滑り出しを示し、なかでも海外売上比率は25.8%まで高まっている。

コーセーは日本の高級化粧品の代名詞的存在。化粧品事業は高価格帯のハイプレステージ、中価格帯のプレステージという2つの領域で商品展開する。まず、その主要なブランド群を見てみよう。

最高のクオリティーを持つ高級化粧品と位置づけ、専門店や百貨店を中心に展開するのがハイプレステージ。美容スタッフがきめ細かくカウンセリングする。「デコルテ」「ジルスチュアート」「アディクション」「インフィニティ」「アルビオン」など多数のブランドをそろえる。買収した米タルトの商品もこの領域に含まれる。

量販店、ドラッグストア、通販など幅広い販売チャンネルで取り扱うのがプレステージ。コーセーを代表するロングセラー商品の「雪肌精」をはじめ、「エスプリーク」「肌極(はだきわめ)」「米肌(MAIHADA)」などがある。

これら化粧品事業が全売上高の75%を占め、残る大部分が第2の柱のコスメタリー事業だ。「ソフティモ」(洗顔やクレンジング)、「クリアターン」(シートマスク)、「ヴィセ」(リップスティック)などを、コンビニやドラッグストアで手頃な価格で提供している。

一連の商品群のうち、「デコルテ」「雪肌精」「ジルスチュアート」「アディクション」「クリアターン」の5つを重点グローバルブランドと位置づけ、世界で拡販中だ。

コーセーHPから:ロングセラーの看板商品「雪肌精」