経済活動の「源」であるエネルギー資源。「脱炭素化」の動きが加速しているとはいえ、石油・ガスの化石燃料はエネルギーの主流の座を譲ってはいない。国際石油開発帝石(INPEX)<1605>は原油や天然ガスを探り当てる探鉱活動や、買収した油田・ガス田の商業開発、採掘した原油・天然ガスを石油精製会社や電力・ガス会社へ販売するなど、エネルギーの「上流部門」と呼ばれる事業を担っている。化石燃料に乏しい日本において、同社の役割は大きい。

M&Aで誕生した国際石油開発帝石

「上流部門」専業での国内競合企業は石油資源開発<1662>とK&Oエナジーグループ<1663>の2社。石油資源開発は北海道、秋田県、新潟県にガス油田を持ち、国内では屈指の輸送技術を持つ。さらには露サハリン沖ガスプロジェクトへの参加やイラクでの油田開発に着手している。かつては国際石油開発帝石の前々身である北スマトラ海洋石油資源開発(後の国際石油開発)の親会社的な存在だった。

K&Oエナジーグループは子会社の関東天然瓦斯開発が千葉県の南関東ガス田の権益を持ち、大消費地の首都圏を中心に国内向け天然ガスの開発生産販売を展開している。2018年3月期の売上高では石油資源開発が2306億円、関東天然瓦斯開発が595億円なのに対して、国際石油開発帝石は9337億円と圧倒的に大きい。国内で両社との競合がないわけではないが、国際石油開発帝石を脅かすライバルとまでは言えない。

国際石油開発帝石はM&Aで誕生した会社だ。その前身は国際石油開発と帝国石油の2社。その両社にもそれぞれM&Aの歴史があった。起源は1941年の帝国石油設立に遡(さかのぼ)る。同社は石油資源開発を国策で促進するため政府と民間がそれぞれ半額出資して、1940年に発足した帝国石油資源開発の事業を継承した会社だ。