紙でできることは紙で-。これを合言葉に日本製紙<3683>が使い捨てプラスチックに変わる素材として紙の需要拡大に乗り出した。2018年8月に紙化ソリューション推進室を新設、“紙化”のさまざまなニーズを掘り起こす作戦だ。

米国のハンバーガーチェーンのマクドナルドがストローをプラスチック製から紙製に切り替えることを決めるなど、紙化への需要が高まっている時期だけに、日本だけでなく世界から注目を集めそうだ。

バリア性の高い製品で紙化を推進

紙化の切り札となるのが酸素や水などの透過を防ぐ機能を紙に持たせた「SHIELDPLUS(シールドプラス)」。食品の包装容器に用いると内容物の香りを保ち、外からのにおいの侵入を防ぐことができる。

同社では以前から牛乳パックなどの飲料用容器や紙カップ、包装用紙などに紙製品を提供してきた。シールドプラスはこれら製品に高いバリア性を加えたことで、食品はもちろん家庭用品や化粧品、建築材料など向けに幅広い需要が見込める。

シールドプラスは木質素材に製紙用の水系塗工技術を活用して、バリアコーティング層(図1)を設けることで、酸素と水の透過を防ぐことに成功した。各種のバリアフィルムと同等のバリア性を持つ。

同社の試算によると、木質素材であるシールドプラスは再生可能なため、プラスチックフィルムからの置き換えによってCO₂の排出量を34%削減できる。さらに生分解性があるため、廃プラスチックのような海洋汚染を引き起こすことがないという。

現在、海洋汚染の代表格となっているのがプラスチック製ストロー。世界中で1日に10億本以上が使い捨てられていると見られており、一部は海に流れ込み海洋動物に誤飲されているという。

このためマクドナルドをはじめ、米国のコーヒーチェーン・スターバックスや米国の航空会社アメリカンエアラインなどがプラスチック製のストローの使用を廃止することを決めた。日本でも大手ファミリーレストランチェーンのすかいらーくホールディングスがプラスチック製ストローの全廃方針を打ち出した。どうやら流れは紙化に向かっているようだ。

では紙化が日本製紙の業績に与える影響はどうだろうか。

(図1)シールドプラスのバリア性 同社ホームページより