SBIホールディングス<8473>が仮想通貨ビジネスで攻勢をかけている。2017年10月以降だけでも、仮想通貨やブロックチェーン関連の発表が8件(表1参照)あり、急速な動きが見て取れる。金融庁は2017年4月に仮想通貨交換業者の登録制を導入し、仮想通貨ビジネスの安定化に取り組んできた。欧米やアジアの国々が規制を強化する中で、日本は独自の路線を進む。SBIグループの動きはこうした国の政策に沿っているだけに、今後一層、仮想通貨ビジネスの拡大にアクセルを踏み込むことになりそうだ。

幅広い仮想通貨ビジネスを展開

8件の内訳をみると格付け、メディア、コンサルなどの情報関連が3件、交換業務、仮想通貨派生商品などの販売関連が2件、ブロックチェーン関連が2件、仮想通貨の保管に関する案件が1件と幅広く取り組んでいる姿が浮かび上がってくる。

仮想通貨とICO(イニシャル コイン オファリング=新規仮想通貨公開)の格付け事業はグループ会社のモーニングスター<4765>(表2参照)が手がける。ICOはトークン(モノやサービスと交換できる代替貨幣、仮想通貨のようなもの)を発行し、投資家に売却することで資金調達を行う手段。

IPO(新規株式公開)と似た仕組みだが、取り引きに匿名性が高く、規制も十分でないため、投資家の保護が問題視されている。ICOで資金調達する企業が発行する企画書「ホワイトペーパー」も正確性や信憑性に問題がある。

そこで、企画書やICOで生まれる新しい仮想通貨について客観的に分析し、評価しようというのが、このビジネス。債券格付けの手法やノウハウなどを応用して運用していく。

モーニングスターではこのほかに、米国の最大手の仮想通貨メディアCoinDeskと業務提携し、CoinDeskが米国で提供する仮想通貨やブロックチェーン技術のニュースを日本語に翻訳して発信を始めた。

CoinDeskは月に1000万人以上が利用しており、CoinDeskが提供する仮想通貨の価格情報は欧米の主要メディアが掲載している。モーニングスターはすでに仮想通貨関連の情報提供を行っており、ここにCoinDeskの情報が加わることで、充実した情報提供が可能になる。

(表1)SBIグループの仮想通貨関連の取り組み(2017年10月以降)

年月内容
2017年10月 仮想通貨、ICOの格付け事業を開始
2017年10月 仮想通貨デリバティブ関連事業を手がける米国のBCause社に出資
2017年12月 ブロックチェーン開発を手がける英国のnChainとパートナーシップを締結
2018年2月 ICOコンサルティング事業を展開する米国のT1R社に出資
2018年2月 米国最大手の仮想通貨メディアCoinDeskと業務提携
2018年3月 仮想通貨コールドウォレット事業を展開する台湾のCoolBitX社に出資
2018年5月 ブロックチェーンを用いたeコマース事業を展開する台湾のOwlTing社に出資
2018年6月 仮想通貨交換業務に参入