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【1月M&Aサマリー】69件、09年以来の高水準|前田建設はグループの前田道路に敵対的TOB

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前田建設工業による敵対的TOBのターゲットとなった前田道路(東京・大崎の本社)

人材関連のM&Aは国内外で活発

業種別にM&Aをみると、人材サービス分野が4件あり、引き続き活発だった。エンジニア派遣大手のUTグループは関西地区で製造業向け人材派遣事業を手がけるサポート・システム(大阪市)の子会社化を決めた。11億5600万円で全株を取得する。

通販会社のベルーナはシンガポールで医療人材の紹介・派遣事業を展開するJOBSTUDIOを傘下に収めた。ベルーナはグループ会社を通じて2018年から国内で看護師紹介事業を始めているが、海外展開に踏み出す形だ。

クリーク・アンド・リバー社は持ち分法適用関連会社でテレビ・映像関連を中心に人材派遣を手がける韓国クリーク&リバーエンターテイメント(ソウル)の資本構成を見直し、連結子会社化した。また、エン・ジャパンは建設・不動産業界向け求人サイトを運営する中国子会社の英才網聨科技(北京)を売却する方向で検討を始めたと発表した。事業の選択と集中の一環という。

中国関連ではこのほか、児玉化学工業が住宅設備・冷機部品製造の中国子会社の無錫普拉那塑膠(江蘇省)を現地社に譲渡することを決めた。2002年に全額出資で設立したが、販売低迷が続いていたうえ、米中貿易摩擦よる事業環境変化などを踏まえ、業績好転が見込めないと判断した。一方、日立化成は本体と子会社で手がけるコンデンサー事業の一部と蒸着フィルム事業を、中国の同業メーカー南通江海电容器(江蘇省)に譲渡すると発表した。

スーパー業界のM&Aもコンスタントだ。フジは広島県備後地区でスーパー11店舗を経営するニチエー(広島県福山市)の全事業と全従業員を引き継ぐ。フジは愛媛県50店舗をはじめ四国一円と広島、山口県で計96店舗のスーパーを展開する地域最大手。ニチエーは1962年に設立した。

クリエイトSDホールディングは、「ゆりストア」5店舗を運営する百合ヶ丘産業(川崎市)を子会社化する。百合ヶ丘産業は1960年設立で、60年の業歴を持つ。

マツキヨ・ココカラが来年10月統合で合意

メルカリはスマホ決済サービスのOrigami(東京都港区)を傘下に収める。子会社のメルペイ(東京都港区)を通じて、全株式を2月25日付で取得する。Origamiはスマホ決済サービスの先発企業で、2016年に「Origami Pay」の提供を始めた。利用者・加盟店への周知期間を経て、メルペイの「メルペイ」に統合される。

ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールディングスとココカラファインは1月31日、2021年10月に経営統合すると発表した。売上高は1兆円規模となり、ツルハホールディングスなどを抜いてトップに立つ。共同持ち株会社を設立し、マツキヨの松本清雄社長が社長に就く。両社は昨年8月に、今年1月末までの基本合意を目指して協議を始めていた。

経営統合に先立ち、マツキヨはココカラの第三者割当増資を約383億円で引き受けて20%超を保有する筆頭株主となる。マツキヨ、ココカラのブランドは当面残す見通し。

スターアジア不動産投資法人とさくら総合リート投資法人は1月30日、合併で基本合意した。スターアジアは昨年5月、さくら総合リートに合併提案した。しかし、さくら総合リートが合併に反対し、J-REIT(上場不動産投資信託)で初の敵対的買収に発展していた。今後、早期の合併契約を目指す。

1月のM&A:取引金額上位(10億円以上)

<買収案件>
1 前田建設工業、前田道路をTOBで子会社化へ(861億円)
2 米ベインキャピタル、昭和飛行機工業をTOBで子会社化(694億円)
3 投資ファンドのインテグラル、豆蔵ホールディングスをMBOで非公開化(344億円)
4 グローリー、フランスのセルフ決済機器メーカーのアクレレック・グループを子会社化(242億円)
5 イワキ、医薬品研究受託のスペラファーマ(大阪市)を子会社化(60億円)
6 フジシールインターナショナル、包装材料製造のタイ合弁「フジエース」を子会社化(45.1億円)
7 サン電子、デジタル証拠の収集・分析の米ブラックバッグ・テクノロジーズを子会社化(38.2億円)
8 芙蓉総合リース、トラックリースのヤマトリース(東京都豊島区)を子会社化(36億円)
9 ゼリア新薬工業、医薬品・健康食品販売の日水製薬医薬品販売(東京都台東区)を子会社化(33億円)
10 TIS、モバイル決済ソフト開発の米Sequent Softwareを子会社化(28.5億円)
11 前澤給装工業、住商メタレックス(東京都千代田区)のリビング・ソリューション事業を取得(15.5億円)
12 JEUGIA、MBOを通じて非公開化(14.1億円)
13 フィードフォース、インターネット広告運用代行事業のアナグラム(東京都渋谷区)を子会社化(12.5億円)
14 UTグループ、製造業向け材派遣事業のサポート・システム(大阪市)を子会社化(11.5億円)

<売却案件>
1 MTG、ウオーターサーバー事業を投資会社の萬楽庵(名古屋市)に譲渡(12億円)

文:M&A Online編集部

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