希望の党惨敗の最大の原因は、複数の仲介者が介在し、それぞれの思惑で都合の良い情報を当事者に伝えたり外部へ流したりしたため、合流交渉が大混乱に陥ったことにある。これは企業のM&Aでも起こりうる。シャープ<6753>の救済合併や東芝<6502>の半導体子会社売却でも、両社の経営陣が金融機関や経済産業省などの仲介者の思惑に翻弄され、混乱したのは記憶に新しい。
このような事態を招かないためにも、信頼できるM&Aの仲介者を厳選し、それ以外からの余計な情報をシャットアウトすることが重要だ。そしてなにより当事者のトップ同士が直接会って、提携内容を徹底的に詰めることを忘れてはいけない。小池代表や前原氏の判断を誤らせた「はずだ」や「だろう」は政治に限らず、企業のM&Aにとっても禁句なのだ。
文:M&A Online編集部