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決済処理サービスにメガ事業者が誕生 -米バンティブ、同業の英大手を買収-

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決済処理サービスにガリバー誕生

電子決済サービスの米バンティブ、同業の英大手ワールドペイを買収

 2017年7月5日、米決済処理サービスのバンティブは、英ワールドペイを91億ポンド(約1.3兆円)で買収することで基本合意したと発表した。前日まで買収を打診していると報じられていた米投資銀行JPモルガン・チェースは、交渉の場から姿を消した。

 バンティブは、米オハイオ州で1971年設立。小売店舗対象のクレジットカード決済処理をしており、2012年、ニューヨーク証券取引所に上場した。2016年にはアメリカ国内で250億件の取引を処理し、年間利益は2億8000万ドル、3500人の従業員を擁する。

 一方のワールドペイは、ロンドンで1989年設立された。2010年、親会社だったロイヤル・バンク・オブ・スコットランドから、米投資会社2社の手へ渡った後、2015年にロンドン証券取引所に上場。2015年には131億件の決済を処理し、世界11か国で約4500人の従業員を擁する。2016年の年間税引前利益は2億6410万ポンド。

 2017年8月9日の正式合意の発表によると、最終的な買収額は93億ポンド(約1.37兆円)となる見込み。新社名は買収先のワールドペイのままで、バンティブが新会社の株式の約57%を所有、ワールドペイの株主が43%を保有する。新会社はロンドン市場への上場もめざす。ワールドペイのジャンセンCEOとバンティブのドラッカーCEOが共同CEOとなり、ドラッカーCEOは執行会長も兼務する。本社は米オハイオ州シンシナティとロンドンの2本社制となる。買収が実現すれば、時価総額200億米ドル(約2.3兆円)を超える決済処理大手企業が誕生することになる。

ワールドペイ買収の意義は

 バンティブにとって今回の買収は、ヨーロッパでの有力な足場づくりの意味を持つ。また両社は共同声明で、「グローバルなペイメントプロバイダとなることにより、従来型の小売店舗、統合されたペイメント、グローバルなeコマースについて幅広い機能を得られる」とその意義を強調。さらにドラッカーCEOは、両社の「高度に補完性がある事業の統合」により、高いサービス水準を提供できると語った。

 携帯電話やデジタル機器を利用してオンライン買い物をする消費者が増え、支払い処理の重要性はますます増している。支払い処理は成長分野と見られており、現金決済が減少している昨今、金融機関などには買収先として魅力的と注目されている。

英現地メディアはどう報道したか

 8月8 日、翌9日付、英フィナンシャルタイムズは今回の買収劇を次のように報じた。

『7月の基本合意から正式合意に至るまでには、数週間の交渉を要した。これは、ワールドペイの出資者がその企業価値の評価とロンドンでの上場に懸念を抱いたためである。ワールドペイ1株は397ペンスと評価され、先月基本契約が公表された日の終値の23%のプレミアが付いた。ワールドペイの株主は、新会社の43%(先月の提案の41%より増加)を所有することになった。
ワールドペイ1株に対して55ペンスのキャッシュ、5ペンスの配当、そして0.07株の新株が割り当てられる。さらに、イギリスの投資家のためにロンドン市場への上場を計画することが決定した。こうして扱い取引数では世界一の会社が生まれる。』(筆者訳)

 今回のバンティブの「急襲」は、支払い手続きが小切手と現金からカードとデジタルへと移行する過渡期において、eコマースがいかにエキサイティングな成長分野に変化するかを示唆するものだった。

 バンティブはもともとフィフスサード銀行の一部門の会社にすぎなかったが、2009年に投資ファンドに買収された後、わずか5年の間に合併を重ね巨大化し、ワールドペイとの合併ではライバルのJPモルガンに勝利するまでに至った。

 「新会社は、ワールドペイの名を維持しつつ、巨大で日進月歩の進歩を遂げるマーケットの業者に対し、より進化したフレキシブルな技術と決済処理を提供する。そしてあらゆる規模と業種の壁を越えて、業者が戦略的なコマースパートナーを作り出すことを可能とするだろう」と両社は口をそろえた。

翻訳:Yuu Yamanaka /編集:M&A Online編集部

<参考>
https://www.ft.com/ フィナンシャルタイムズ8月8日付
http://www.ft.com/ フィナンシャルタイムズ8月9日付

M&A Online編集部

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