3.開発コンソーシアムの参加企業

そもそも空飛ぶクルマの開発で、大型旅客機メーカーのエアバスやボーイングと提携するのが間違い。空飛ぶクルマの開発には両社のほかに、IHI<7013>や川崎重工業<7012>、日立製作所<6501>、三菱重工航空エンジン、ホンダ<7267>などの航空機関連メーカーも参加する。だが、空飛ぶクルマのカテゴリーとなる軽飛行機と、旅客機では設計思想も生産ノウハウも全然違う。

旅客機と「空飛ぶクルマ」のような軽飛行機では設計思想や生産ノウハウが全く違う(米ボーイング社ホームページより)

現時点で明らかになっている提携先で、空飛ぶクルマのような軽飛行機のノウハウを持っているのは、せいぜいビジネスジェットを開発・生産しているホンダぐらい。本気で空飛ぶクルマの実用化を目指すのなら、米テキストロン傘下の米セスナや米ビーチクラフト、米パイパー・エアクラフトなどの軽飛行機メーカーと提携すべきだ。

さらに従来の軽飛行機とも全く別のカテゴリーで空飛ぶクルマを開発するというのであれば、既存の航空産業よりもドローン大手の中国DJIや仏Parrot(パロット)、米3DRobotics(スリーディロボティクス)などと組む方が「普及価格帯の空飛ぶクルマ」を実用化できる可能性が高い。少なくとも1000万円以下で空飛ぶクルマを発売できるとしたら、ドローンの延長で開発するしか選択肢はないだろう。

たとえば乗用車とビジネスジェットの生産実績があるホンダがDJIを買収し、自動車と航空機の技術を自動操縦のドローンに落とし込むことで空飛ぶクルマづくりを目指す。それぐらい大胆な「組み合わせ」でなければ、空飛ぶクルマなどただの「絵空事」で終わる。低価格で安全性が高く、自動操縦機能も実装する「三拍子そろった」空飛ぶクルマを実現する予想外のM&Aに期待したい。

文:M&A Online編集部