「アマゾンエフェクト(アマゾン効果;Amazon Effect)」とは、アマゾンの台頭がもたらした経済への影響だ。小売業にもたらしている影響はアメリカでは大手チェーンストアにマイナスの作用を与えている反面、逆に刺激になってプラスに働いている事例もある。最も顕著な変化はスーパーマーケット業界だろう。

ホールフーズの買収で影響を受けるスーパーマーケット業界

アマゾンがホールフーズ(Whole Foods)を買収して以来、カーブサイド・ピックアップ(Curbside Pickup)と宅配サービスを導入する食品スーパーが後を絶たない。カーブサイド・ピックアップは、利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にて店のスタッフから受け取るサービスだ。利用者は車から降りる必要はなく、注文品はスタッフがトランクに積んでくれる。

カーブサイド・ピックアップのサービスは、クローガー(Kroger)やアルバートソンズ(Albertsons)などの大手スーパーマーケットチェーンから地方のスーパー、さらにはサービスをそぎ落として低価格化を図っているアルディ(ALDI)などのディスカウントスーパーまで導入している。また宅配サービスについても、それまで二の足を踏んでいたスーパーまでもが続々と参入している状態だ。

クローガーのカーブサイド・ピックアップ
クローガーのカーブサイド・ピックアップ(c)Fumitoshi Goto

引く手あまたのインスタカート

オンデマンド買物代行&宅配サービスのインスタカート(Instacart)の創業者でCEOのアポルボ・メタ氏は、アマゾンによるホールフーズの買収が発表された途端に「全米中の大手食品スーパーから連絡がきた」と話すほどだ。

インスタカートの宅配サービス
インスタカートの宅配サービス

サンフランシスコで2012年に創業したインスタカートは、クローガーだけでなく、アルバートソンズ、コストコ、アホールド、パブリクス、HEBなど北米で展開する大手食品スーパー8社と契約、ウェグマンズやプライスチョッパーなど中堅食品スーパーとの提携も増え中小の食品スーパー300社以上と契約を結んでいる。

2014年9月から提携していたホールフーズとは関係を打ち切る一方で、プライムナウとの契約を解消したスプラウツ・ファーマーズ・マーケットとインスタカートは提携を開始。インスタカートは現在、北米市場の300ヵ所以上の地域で営業し、米国全世帯の70%が利用できるようになっている。宅配サービスが成熟した地域では食品マーケットシェア10%に迫ろうともしているのだ。