読売新聞が値上げを朝日新聞、毎日新聞に先んじて実施することになった。2019年1月から朝夕刊セットの月極購読料は、4037円(消費税込み)から4400円(同)に約10%アップする。消費税引き上げに伴い購読料は2度改定したが、本体(税別)価格は1994年1月以来25年間据え置いていた。改定による増収分の大半を人手不足が深刻化する販売店の労務環境改善に充てるとしている。

朝日・毎日も追随は必至

現在、購読料が同じ朝日、毎日も追随は必至で、年が明けて値上げをいつ表明するか、タイミングを探ることになりそうだ。値上げが新聞離れを加速しかねないことを承知しながらも、当の販売店自身、「価格を据え置いたからといって、部数減がストップするわけではない。売上維持のためにはやむを得ない」(朝日系のある所長)と話す。

新聞は来年10月に実施される消費税率10%への引き上げに際して導入される軽減税率(8%に据え置き)の対象品目。読者にとって軽減措置の効果を相殺することになる購読料値上げには世論の反発も予想されるだけに、いばらの道を覚悟していた方がよさそうだ。

新年から読売新聞の月極購読料は朝夕刊セットが4400円(現在4037円)、朝刊だけの統合版が3400円(同3093円)。1日当たり10円あまりの負担増となる計算だ。朝刊の即売(1部売り)は150円(現在130円)となり、夕刊は50円で据え置く。

新デジタルサービスとして「読売オンライン」を開設し、購読者は無料で読めるようにする。読者のつなぎ止めが狙いであることは言うまでもない。従来、購読者向けに有料会員制「読売プレミアム」を月額150円で提供してきたが、今回、デジタル戦略を大きく転換する。

大義名分は戸別配達制度の維持

消費税分を除く、25年ぶりとなる購読料の値上げの“大義名分は”は戸別配達制度の維持にある。毎朝、販売店を通じて宅配で届けられる新聞は4000万部を超える。これを朝6時ごろまでの3時間足らずで配り終える世界に類のないデリバー体制を構築している。しかし、この間、趨勢的な部数減と人手不足などによる配達費上昇のダブルパンチが販売店の体力を奪ってきたのが実情だ。

全国の新聞発行部数は2000年当時、5300万部を超えていたが、2017年は4200万部まで落ち込み、販売店数も約1万6000店と5000店以上減っている。

購読料は発行本社(新聞社)が約6割、販売店が約4割を分け合う。購読料の値上げは販売店にとって売上確保による経営改善に一定の効果が期待できる。半面、中止読者が想定を上回るようであれば、目算が狂う。読売読者が値上げをどう受け止めるのか。その動静には地方紙を含め、全国の新聞が注視しているといってもいい。

こうした中、日経はすでに2017年11月に4509円(消費税込み)から4900円(同)に値上げを済ませている。1994年以来、23年ぶりに値上げに踏み切った。

日本ABC協会の「新聞発行社レポート半期」によると、2018年1~6月平均の朝刊販売部数は読売新聞851万部、朝日新聞595万部、毎日282万部、日本経済新聞243万部、産経新聞150万部。

これら全国紙5紙のうち、読売、朝日、毎日の3紙は1952年(朝夕刊セット280円)以来、購読料は横並びで今日にいたる。いずれかが値上げしても、時を置かずしても同額の値上げを繰り返してきた。価格競争が事実上行われていない状況を問題視し、公正取引委員会が警告書を出したこともある。

〇在京主要紙の購読料(12月時点、※は朝刊のみ)

月極購読料1部売り
読売新聞4,037円130円
朝日新聞4,037円150円
毎日新聞4,037円140円
日本経済新聞4,900円180円
産経新聞※3,034円110円
東京新聞3,343円110円
日刊工業新聞※4,712円230円
日経産業新聞※4,000円180円
日刊スポーツ※3,353円130円