2018年の外食・フードサービス業界のM&A件数が2011年以来、過去最高の26件となった。ただ取引総額は2011年の1368億5100万円、2014年1135億1100万円、2015年の464億6000万円に次ぐ4番目の375億5600万円にとどまった。

目立つ海外展開

M&A Onlineが適時開示情報をもとにまとめた2011年から2018年までのM&Aデータベースで検索したところ、2011年はファンド間の取引で、すかいらーくの買収に1280億円が、2014年はスターバックス コーヒーの買収に843億円が動いた。

2015年はカレーハウスCoCo壱番屋を展開する壱番屋のTOBに301億円、かごの屋などを展開しているKRフードサービスの子会社化に149億円が投入された。2018年はこうした大型のM&Aがなく、中小規模M&Aの数が増えものの取引総額の合計は低かった。

2018年の取引総額で最高だったのは、ゼンショーホールディングス<7550>が米国で持ち帰り寿司店をフランチャイズ展開する米Advanced Fresh Concepts Corp.の子会社化に投じた288億円だった。Advanced Fresh Concepts Corp.は米国で約3700店舗を展開する持ち帰り寿司のトップ企業で、カナダ、豪州を合わせると4000店舗を超える店舗がある。

さらに10億円以上のM&Aは、外食チェーンを展開する一六堂経営陣のMBO(34億9000万円)、ファミレス大手のジョイフル<9942>による同業のフレンドリーのTOB(15億4000万円)、オイシックスドット大地によるNTTドコモ<9437>の完全子会社・らでぃっしゅぼーやの子会社化(10億円)の3件があった。

このほかに目立ったのは海外企業の買収。神戸物産<3038>はシンガポールで鉄板焼き店の経営を予定するWIZ JOINT PTE. LTD.が実施する第三者割当を引き受け、子会社化することを決めた。

博多ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングス<3561>は、台湾でのラーメン「IPPUDO」事業のライセンス供与先である乾杯拉麵股份有限公司を完全子会社化することを決めた。

クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>はニューヨークの日本食レストラン「炙り屋錦乃介」「蕎麦鳥人」の2店舗を取得することを決めた。

G-FACTORYが、飲食店経営のM.I.Tを完全子会社化することを決定。M.I.Tを傘下に取り込むことで海外進出による多店舗展開を目指すという。

日本の飲食店の海外進出は2019年も勢いが持続しそうだ。


文:M&A Online編集部