【新生銀行】買い手に「食い物」にされた旧名門行の買収トラウマ

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新生銀行はSBIの敵対的TOBから逃れることができるか?(Photo By Reuters)

マネックスとの業務提携がSBIのTOBを招いた

新生銀は自行の筆頭株主となったSBIグループが2020年8月に立ち上げた「地方創生パートナーズ」に出資している。ところが2021年1月に新生銀が自行の投資信託口座をマネックス証券に移管する一方、同銀が投資信託商品の販売を担当する業務提携を2022年1月から実施すると発表。新生銀のマネックスへの「すり寄り」が、SBIを刺激した。

SBIの北尾社長は「こういうのを見ていると経営者や会社の将来がよくわかる」と強い不快感を示し、2021年6月の新生銀株主総会で工藤英之社長ら複数の取締役選任議案に反対票を投じた。併せて新生銀の株式を買い増して、銀行法の規定により金融庁の認可が必要となる20%近くまで保有割合を引き上げている。

そして、9月9日には新生銀との事前通告なしに、金融庁の認可を取得した上で最大48%までの株式取得を目指すTOBの実施を発表した。これに反発した新生銀は9月17日にSBI以外の株主に株式を割り当てる新株予約権を無償発行し、SBIの保有比率を低下させる買収防衛策「ポイズンピル(毒薬条項)」の実施を検討していると発表。これを武器に、10月25日とされていたTOB期限を12月8日に延期するようSBIに迫った。

SBIは「経営陣の保身で、無益な時間稼ぎにすぎない」と批判したものの、ポイズンピルの実施を警戒してTOBの期限延長に応じた。新生銀は10月21日、SBIによるTOBに反対を表明し、銀行業界では初となる敵対的買収となった。

敵対的買収になったことについてSBIの北尾社長は、10月28日に開いた自社の決算説明会で「資本市場を活性化するメソッドとして、ぼんくら経営者の退場がある」と新生銀を批判。「ホワイトナイト(友好的な買収者)が買うならどうぞ、お譲りします」と挑発した。

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