「傀儡(かいらい)のイースト、優等生のウエスト」と国内業界で評価される東西ボトラー2社だけに、経営統合は果たしたものの今後の懸念はある。2016年12月期の年間売上高は約5700憶円のイーストが約4600憶円のウエストを上回っていた。しかし、連結売上高営業利益率ではイーストの3.2%に対してウエストは4.6%と逆転している。合併比率はイースト=1株に対してウエスト=0.75株、統合したジャパンの社長もウエスト出身だ...
友好的M&Aに限る。相手企業の人を大切にする―。物流機器メーカーのダイフク<6383>はこの方針に沿って2000年以降、企業や事業の買収を活発化してきた。2004年に自動倉庫事業を譲り受けたキトー<6409>を皮切りに2014年にニュージーランドの空港手荷物機器メーカーBCS Group Limitedまで19件の買収などを実施。いずれも事業の拡大につなげてきた。現在、高水準の受注が続いており、2018年3月期は売上高、利益とも過去最高を更新する見込みのため生産能力増強が不可欠な状況。ここ3年ほどは無風状態だが、今後は生産拠点拡充を目的とした買収が実現する可能性が高そうだ。
創業者である古岡秀人の「戦後の復興は教育をおいてほかにない」との強い信念のもと設立された学研ホールディングス。 「教育」を基軸して、多岐にわたる出版事業を展開するほか、塾事業、教材・教具の制作・販え、保育園の運営や高齢者住宅、介護サービス等、医療福祉分野にも事業を展開している。学研社及び子会社45社、関連会社4社で構成された巨大な企業群は、今後どのような絵をM&Aにより描いていくのか。
三重県に本店を置く三重銀行<8374>と第三銀行<8529>は2017年2月に経営統合に向け、基本合意したと発表した。両行は2018年4月に共同持株会社の傘下に入る予定だ。地方銀行は日銀のマイナス金利政策などを背景に厳しい経営環境が続き、今後も全国各地で再編が予想される。両行の経営統合の狙いについて見ていきたい。
エイチ・ツー・オー リテイリングは、阪急百貨店が2007年に阪神百貨店との経営統合による持株会社体制への移行により生まれた。エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社へ社名変更するとともに、株式会社阪急百貨店を新設している。関西を舞台とするM&A戦略を見る。