ゴーン事件の日産、2度目の下方修正

日産自動車は営業利益が従来予想を1320億円下回る3180億円、最終利益が910億円下回る3190億円になると発表した。19年3月期の業績予測の下方修正は今年2月に続いて2度目。前期実績と比べると、営業利益は約45%、最終利益は約57%と半減する。

主力の米国市場での販売が苦戦したほか、カルロス・ゴーン前会長の会社法違反(特別背任)事件などの影響が出たとしている。5月14日の決算発表では西川広人社長が業績や生産計画を説明する予定だが、ここへきて再燃した仏ルノーとの経営統合問題について質問が集中しそうだ。

LIXIL、内紛の挙句に赤字転落

トップ交代をめぐる内紛問題を抱えるのがLIXILグループ。4月18日、潮田洋一郎会長兼CEO(最高経営責任者)が6月末の定時株主総会をもって辞任する意向を表明した。同時に、19年3月期決算の最終損益が530億円の赤字(従来予想は15億円の黒字。前期は545億円の黒字)に転落する見通しを発表した。

ただ、潮田氏はこの赤字の責任は前CEOの瀬戸欣哉氏(現取締役)にあるとする立場をとっており、自らが瀬戸氏を任命した責任を辞任の理由としている。瀬戸氏のCEO退任に伴い、昨年11月に創業家出身の潮田氏が約7年ぶりに会長兼CEOに復帰していた。瀬戸氏はCEOへの復帰を目指している。13日に決算発表を予定するが、むしろ“場外戦”の行方に関心が集まっている。

武田薬品工業は19年3月期の税引き前利益について従来予想を1502億円減額して950億円(前期は2172億円)となると発表した。6兆円超える巨費を投じたアイルランド製薬大手シャイアーの買収完了(1月)に伴う費用などを計上する。決算発表日は14日。

施工不良問題で社会的に糾弾されるレオパレス21は2月に補修費用などの発生で最終赤字が400億~380億円(前期は148億円の黒字)になる見通しを公表。今月10日に最終的な決算の詳細を説明する。

東京証券取引所は事業年度終了後45日以内(3月期決算会社の場合は5月15日まで)に決算発表することを「適切」とし、30日以内だと「より望ましい」としている。

◎2019年3月期:主な企業・注目企業の決算発表日程

 5/8トヨタ自動車(日本最大企業の“通信簿”は)▽ソフトバンク(昨年12月に上場して初の決算
 5/9パナソニック(BtoB事業にシフト中)▽三菱重工業(国産ジェット機「MRJ」の開発負担が重い)▽日本製鉄(新日鉄住金として最後の決算
5/10楽天(今秋に第4のキャリアとして携帯参入)▽レオパレス21(施工不良問題が広がる)
5/13東芝(経営再建途上)▽LIXILグループ(赤字転落と内紛が絡む)▽曙ブレーキ工業(1月に事業再生ADRを申請)
大和ハウス工業(4月に大規模な施工不良が発覚)▽デサント(敵対的TOB成立で伊藤忠商事の実質子会社へ)
5/14日産自動車(ゴーン事件の影響は)▽武田薬品工業(シャイアー買収完了に伴う費用計上で大幅下方修正)
5/15ジャパンディスプレイ(4月に台湾と中国の企業連合に傘下入りが決まる)▽廣済堂(旧村上ファンドの関係企業が5月10日までTOBを実施中)
みずほフィナンシャルグループ(新銀行システムの償却前倒しなどで6800億円の巨額損失計上へ)
中旬スルガ銀行(シェアハウス不正融資問題)

文:M&A online編集部