2019年度入りの1日、社名変更や経営・事業統合による新体制が一斉にスタートした。鉄鋼国内最大手で世界3位の新日鉄住金は「日本製鉄」として再出発した。「日本製鉄」の社名復活は69年ぶり。三井生命保険は1927年以来の「三井」を社名から外し、「大樹(たいじゅ)生命」に変更した。

石油業界では業界2位の出光興産と4位の昭和シェル石油が経営統合し、連結売上高5兆円を超える巨大企業が誕生した。出光が昭和シェルを完全子会社化する形だが、対外的には「出光昭和シェル」の呼称を使う。

同じエネルギー分野では、東京電力ホールディングスと中部電力が火力発電事業を全面的に統合した。

日本製鉄「総合力世界ナンバーワンを目指す」

「私たちは、総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーを目指している」。新生・日本製鉄のスタートに合わせ1日付で就任した橋本英二社長は入社式でこう呼び掛けた。

新日鉄住金が新日本製鉄と住友金属工業が経営統合して発足したのは2012年10月。今回、「住金」の名前は6年半で姿を消し、かつての日本製鉄をルーツとするのが旧・新日本製鉄だ。

日本製鉄は1934(昭和9)年に官営八幡製鉄所を中心に6社合同で誕生した国策会社。戦後の1950年、GHQ(連合国総司令部)の命令で日本製鉄が解体され、八幡製鉄と富士製鉄が発足した。八幡と富士は1970年に合併して新日本製鉄となった。

新日鉄住金の誕生後、国内外で事業再編を積極的に進めてきた。その総仕上げといえるのが、日本製鉄への社名変更。「日本を発祥とするグローバルな鉄鋼メーカー」を世界の需要家にアピールする狙いを込めた。

実際、この数年来、内外で大がかりなM&Aに意欲的に取り組んできた。

昨年6月にスウェーデン特殊鋼大手のオバコを買収し、この3月末には山陽特殊製鋼の子会社化を完了した。2017年に子会社化(出資比率51%)した日新製鋼(4月1日に日鉄日新製鋼に社名変更)を今年1月に完全子会社化した。インドでは現在、鉄鋼世界トップのアルセロール・ミタル(ルクセンブルク)と組んで、現地鉄鋼大手エッサール・スチールの買収を進めている。

日本生命傘下入りから3年 「大樹生命」に

90年に及ぶ「三井」のブランドが消えたのは三井生命。2016年4月に日本生命保険の傘下に入り、3年を経たのを機に社名を変更した。新社名は主力商品「大樹シリーズ」にちなんだ。

三井生命は「大樹生命」へ

1990年代後半から2000年代初めにかけて三井グループと住友グループが急接近し、銀行、信託、損保で両グループの統合が進んだ。生保の三井生命と住友生命はそれぞれ単独で生き残りを目指したが、体力に劣る三井生命は経営悪化に陥り、最終的に日本生命との経営統合に追い込まれた経緯がある。

金融ではほかに、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と十八銀行(長崎市)が統合した。県内シェアが高過ぎるとして公正取引委員会の審査が2年に及ぶ“難産”の末に新体制が始動した。次いで、2020年10月にFFG傘下の親和銀行(長崎県佐世保市)と十八銀行が合併し、「十八親和銀行」となる。

同じく地銀では、りそなホールディングス傘下の関西アーバン銀行と近畿大阪銀行が合併し、「関西みらい銀行」として船出した。