宇都宮と熊本パルコの閉館が決まりました。宇都宮は2019年5月31日、熊本は2020年2月29日に営業を終了します。撤退理由として、宇都宮が集客力の失速、熊本が竣工から47年経過したことによる老朽化と、商業環境の変化を挙げています。

旗艦店の渋谷パルコ
旗艦店の渋谷パルコ


2月のテナント取扱高が68.7%まで落ち込んだ宇都宮

宇都宮パルコは1997年に誕生しました。土地の所有者が開発したビルの総事業費は79億7900万円。地元の期待感が大きく、パルコにとっても20店舗目という記念すべき店舗でした。

オリオン通りという大型商店街に近く、上野百貨店、西武百貨店が隣接する好立地に恵まれ、宇都宮のファッション一大拠点を築きました。宇都宮パルコは、大型の紀伊國屋書店、タワーレコードをテナントに迎え、文化の発信拠点としても機能することになります。

しかし、集客力は低下していきました。2018年9月以降のテナント取扱高は、すべての月で70%を割っています。タワーレコード、JINS、キャンドゥなどはすでに撤退しており、テナントが集まりにくい状態が続いていました。

パルコ「月次テナント取扱高情報」
パルコ「月次テナント取扱高情報」より

宇都宮パルコは2015年度から減損損失を計上しており、集客力の失速とテナント集めに苦心していました。2005年2月期には宇都宮店単体で90億6300万円のテナント収益がありましたが、2017年の実績は30億6100万円と1/3ほど。上の月次売上推移をみると、直近の売上高はさらに35%前後減少していると考えられます。

郊外型アウトレット出店で中心街の賑わいが消失

パルコは、もっと早く宇都宮からの撤退を決めるべきだったのかもしれません。2000年に入ってから、強敵となる郊外型アウトレットモールが次々と出店し、中心街からの人離れが鮮明になったからです。

2003年3月に三菱地所<8802>が、栃木県佐野市に「佐野プレミアム・アウトレット」をオープン。2003年7月に地場に強みを持つ福田屋が、中心街から車で20分ほどの場所に「FKDインターパーク店」を出店しました。さらに、マンションディベロッパーのゼファーと大和地所が、「那須ガーデンアウトレット」を2008年7月に開業しています。