東京新聞が値上げに名乗りを上げた。4月1日から朝夕刊セットの月ぎめ購読料を現在の3343円(消費税込み)から357円引き上げて3700円とする。値上げは消費税増税時の価格改定を除き、1997年2月以来22年ぶり。    

読売、日経が先行

今年10月に消費税率10%への引き上げを控える中、在京大手6紙では1月に最大部数を持つ読売新聞が25年ぶりの値上げに踏み切った。日本経済新聞は2017年11月に早々と値上げ(23年ぶり)を済ませた。残る朝日新聞、毎日新聞、産経新聞も追随は必至で、あとはタイミングの見極めだけとみられる。

ただ、5月は新天皇即位という国家的イベントが待ち受け、「10連休」が実施される。また10月の消費税増税時期が近づけば近づくほど、便乗値上げの批判にさらされかねない。これらを踏まえた場合、6月に値上げを発表、7月に実施がぎりぎりのタイミングといえそうだ。

東京新聞は値上げの理由として、物流関係を中心とする人手不足の深刻化に伴い労務確保などの諸費用が上昇し、戸別配達制度を軸とする新聞販売網の維持が難しくなっていることをあげている。「確実に読者の皆さまに新聞を届けていくために引き続き経営努力を続ける」としている。

4月から東京新聞の月ぎめ購読料は朝夕刊セットが3700円(現在3343円)、朝刊だけの統合版が2950円(同2623円)。1日当たり10円あまりの負担増となる。朝刊の即売(1部売り)は10円上がり120円に。夕刊は50円を据え置く。元々、東京新聞は手ごろな購読料を売り物にしてきた。

都内の東京新聞専売店

同紙は「首都圏の地方紙」をモットーとし、東海地区を本拠とするブロック紙の中日新聞社(名古屋市、中日新聞東京本社)が発行する。発行エリアは東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城、静岡(県内東部)で、2018年7~12月平均の朝刊販売部数は45万9388部(日本ABC協会まとめ)。

東京新聞としては在京6紙で最下位だが、中日新聞グループ全体で同期間の総部数は285万部(系列スポーツ紙を除く)で、読売新聞(834万部)、朝日新聞(576万部)に次ぐ全国3位を誇る。

読売、朝日、毎日の朝夕刊セットの購読料は4037円で20年以上にわたって横並びだったが、読売が1月に4400円に引き上げた。大義名分は戸別配達制度の維持。改定による増収分の大半を人手不足が深刻化する販売店の労務環境改善に充てるとした。

中日グループの中核紙である中日新聞の購読料は現在、朝日、毎日と同じ4037円で、値上げの時期を探っている。 産経新聞の場合、東京本社発行分は朝刊単独だが、大阪本社発行分はやはり朝夕刊セットで4037円だ。他紙に先行し、日経は2017年11月に4509円から4900円に引き上げを済ませている。

6月に値上げ発表のラッシュ?

 新聞は飲食料品と並び、消費税率10%への引き上げに際して導入される軽減税率(8%に据え置き)の対象品目。軽減措置を相殺する購読料値上げにはかねて世論の反発が根強いうえ、10月が近づくほどに便乗値上げの批判を招くおそれがある。

各紙とも購読料改定に関する社告は実施前月の初中旬の平日紙面に掲載するのがこれまでの通例。新天皇即位の祝賀やこれに伴う10連休などが重なる5月は値上げの発表も実施も事実上困難。となると、6月に値上げ発表のラッシュとなる可能性が高まってくる。

◎在京大手6紙の購読料(3月時点、東京新聞は4月の値上げ後の価格)

月ぎめ購読料1部売り
読売新聞4400円150円
朝日新聞4037円150円
毎日新聞4037円140円
日本経済新聞4900円180円
産経新聞(朝刊単独)3034円110円
東京新聞3700円120円

文:M&A Online編集部