三菱電機が「100年」企業の仲間入り|大手電機8社で残るは?

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三菱電機本社(東京・丸の内)

三菱電機が2月1日に創立100周年を迎えた。事業領域は家庭から宇宙に及び、売上高は4兆円を超える。大手電機8社中、100周年に到達するのは東芝、NEC、日立製作所などに続いて三菱電機が6番目となるが、この機会に競合各社のルーツなどを探ってみると。 

三菱造船の「電機製作所」が独立

三菱電機は1921(大正10)年に三菱造船(現三菱重工業)の電機製作所(神戸市)が独立する形で発足し、扇風機や変圧器、発電機の生産に乗り出した。1930年代には今日業界トップにあるエレベーター、エスカレーターの生産に着手。1960年代には宇宙事業に参入し、人工衛星でリーディングカンパニーの地位を築いた。工場の自動化に関連するFA事業も同社ならではの強みだ。

大手電機の中で三菱電機は日立、東芝と並んで重電系として括られることが多い。かつては日立、東芝に続く3番手だったが、経営再建に伴い白物家電事業や医療機器事業などを相次いで売却した東芝の“敵失”もあって、100周年の直前に売上高で2位に浮上した。

その東芝は米原子力企業の買収失敗で債務超過に陥り、東証1部から降格したが、今年1月末に3年半ぶりに1部に復帰したばかり。東芝は大手電機で最も歴史が古く、1875(明治8)年に創業の田中製造所(後の芝浦製作所)と1890年に創業の白熱舎(後の東京電気)が母体。両社が1939年に合併して東京芝浦電気(1984年に東芝に社名変更)となった。 

日立は日立鉱山の1部門が分離し、1910年に電動機事業に乗り出したのが始まり。近年は、ITを軸に様々な社会課題を解決する社会イノベーション事業に経営資源を集中し、上場子会社の再編にも熱心だ。

ソニー、日立を逆転し売上トップへ

ソニーは戦後の混乱期の1946年に東京・日本橋の百貨店「白木屋」(後の東急百貨店日本橋店、現コレド日本橋)の3階で盛田昭夫、井深大の2人が立ち上げた。旧社名は東京通信工業。戦後生まれで最も成長した企業はほかならぬソニー。足元の2021年3月期には売上高で日立を逆転し、ソニーが大手電機のトップに立つ見通しだ。

ソニー本社(東京・品川)

大阪を本社とするのがパナソニックとシャープ。パナソニックの創業は1918年にさかのぼる。創業者は“経営の神様”と呼ばれる松下幸之助。ただ、近年はライバルのソニーに対して劣勢が否めず、売上高でも2兆円近く水をあけられている。

シャープの前身は1912年に東京で創業したが、関東大震災で被災したのを機に大阪に移転した。現社名は自社開発したシャープペンシル(金属製繰出鉛筆)に由来する。液晶テレビで一世を風靡したが、過大投資が裏目となり、2016年に台湾・鴻海精密工業の傘下に入ったことは記憶に新しい。

NEC、日本初の日米合弁企業として設立

通信系を生い立ちとするのはNEC(日本電気)と富士通。NECは1899年、外資導入による日本初の日米合弁企業として発足し、電話交換機の生産を始めた。合弁相手は米通信大手AT&Tの製造部門ウェスタン・エレクトリック。NECといえば、1980年代から90年代にかけて全盛期を迎え、半導体生産で世界を席巻し、国内パソコン市場ではPC-9800シリーズの独壇場となったことが思い出される。

ルーツは日本初の合弁企業だった…NEC本社前(東京・三田)

富士通の発足は1935年。富士電機製造(現富士電機)の電話部所管業務(交換、伝送)が分離独立した。近年はスパコン市場での活躍が特筆され、世界最高性能の「京(けい)」や「富岳」を送り出し、日本勢として孤軍奮闘中だ。

◎大手電機8社の顔ぶれ(売上高見通しは2月1日時点)

  創業 21/3期売上高見通し
ソニー 1946年 8兆5000億円
日立製作所 1910年 7兆9400億円
パナソニック 1918年 6兆5400億円
三菱電機 1921年 4兆500億円
富士通 1935年 3兆6100億円
東芝 1875年 3兆900億円
NEC 1899年 3兆300億円
シャープ 1912年 2兆3500億円

文:M&A Online編集部

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