中華料理の日高屋などを展開するハイデイ日高<7611>の2021年2月期は、営業、経常、当期の全段階で損益が赤字に転落する。

これまで2021年2月期の業績見通しについては合理的な算定が困難として公表していなかったが、コロナ感染症拡大の第3波が「大きな売り上げが期待できる年末年始の需要に影響を及ぼしており、期末まで影響が続く」と判断して、見通しを固めた。

回転寿司や焼き肉などの一部の店舗はコロナ禍でも好調さを維持しているものの、多くの外食店は苦境に立たされており、中華料理もコロナ禍に屈した格好だ。

4年ぶりに売り上げ400億円割れ

ハイデイ日高の2021年2月期は、営業損益と経常損益が21億円の赤字、当期損益が19億5000万円の赤字になる見通し。

2020年3月期の営業利益は40億9600万円、経常利益41億1200万円、当期利益25億7800万円だったため、大幅な落ち込みとなる。

期中に経費節減に取り組んだものの、売上不振店舗の閉店による特別損失などを計上するため全段階で赤字に陥る。

2021年2月期の売上高予想は、前年度比111億900万円減の311億円で、こちらも大幅な減収が避けられない見通しだ。

同社は2004年に売上高が100億円を突破し、2009年に200億円を、2018年には400億円を突破し順調に成長してきたが、2021年は4年ぶりに売り上げが400億円を割り込むことになる。

【ハイデイ日高の業績推移】単位:億円、2021年2月期は予想

  2019年2月期 2020年2月期 2021年2月期
売上高 418.62 422.09 311
営業損益 47.29 40.96 △21
経常損益 46.97 41.12 △21
当期損益 30.81 25.78 △19.5

コロナ後を睨んだM&Aが増加か

外食産業ではコロナ禍で赤字に転落する企業が続出しているものの、コロナ後を睨んだ動きも見られる。

しゃぶしゃぶの木曽路<8160>は2021年1月27日に、千葉県を中心に焼肉店30数店を運営する大将軍(千葉市)を子会社化する。

同社の2021年3月期は営業、経常、当期の全段階で10億円台の赤字転落が避けられない見通しで、しゃぶしゃぶに次ぐ新しい経営の柱として焼肉事業を育成するために同社初のM&Aに踏み切る。

うどん、そば、洋食などを手がけるグルメ杵屋<9850>も、2020年4月にラーメン・中華料理店など35店舗(2020年3月末時点)を運営する雪村(茨城県土浦市)と、セントラルキッチン運営のゆきむら亭エフシー本部(同)の両社を子会社化した。

同社の2021年3月期は営業、経常、当期の全段階で4、50億円の赤字見込みで、雪村を傘下に収めることで2018年10月に子会社化したラーメン店運営の壱番亭本部(茨城県筑西市)との相乗効果を発揮し、関東東部地域での地盤強化につなげる戦略だ。

外食産業にとって2021年は引き続き厳しい状況が続きそうだが、新型コロナウイルス向けワクチンの投与が2月末から始まる見通しであるなど苦境脱出の明かりも見え始めており、今後コロナ後を見据えた取り組みとしてM&Aを活用するケースは一つの選択肢となりそうだ。

ハイデイ日高は1973年にさいたま市で中華料理店「来々軒」を創業し、1993年の居酒屋「文楽座」の事業展開や、1994年の「ラーメン館」の事業展開などを経て、2002年から現在の主力業態である「日高屋」の事業を始めた。

同社が適示開示したM&Aは今のところはない。コロナ後を見据えた戦略とは、どのようなものになるだろうか。

ハイデイ日高の沿革
1973 中華料理「来々軒」をさいたま市で創業
1986 食材供給子会社で、麺と餃子の生産を開始
1993 新業態として居酒屋「文楽座」の展開を開始
1994 新業態「ラーメン館」の展開を開始
1994 新業態「台南市場」の展開を開始
1995 食材供給子会社を吸収合併
1998 商号を「ハイデイ日高」に変更
1999 日本証券業協会に店頭登録
2002 現在の主力業態である「日高屋」の展開を開始
2004 売上高100億円を達成
2005 東京証券取引所市場第二部に上場
2006 東京証券取引所市場第一部に指定
2009 売上高200億円を達成
2018 売上高400億円を達成

文:M&A Online編集部