コロナ禍で赤字転落した回転寿司「銚子丸」の業績回復が鮮明に

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東京都三鷹市の店舗

コロナ禍で2020年5月期に当期赤字に転落した、回転寿司「すし銚子丸」を運営する銚子丸<3075>の業績回復が鮮明になってきた。同社が2020年12月15日に発表した2021年5月期第2四半期決算(2020年5月16日-11月15日)で、当期利益が従来予想の2倍近くになったほか、営業利益、経常利益も40%を超える増益となった。

コロナ対策としてテイクアウトやデリバリーを拡充したことで、売上高が従来予想比2.2%の増収となったのに加え、広告宣伝費などの経費削減に取り組んだ結果、大幅な増益を達成。前年同期比でも利益は全段階で30%を超える増益となった。

回転寿司大手のスシローグローバルホールディングス<3563>や、くら寿司<2695>でも、全店舗のここ2カ月の売上高を見ると、10月はスシローが前年同月比109.7%、くら寿司が同133.5%、11月はスシローが同100.0%、くら寿司が同141.2%と好調に推移している。

どうやら回転寿司業界はコロナ禍の中、しっかりと消費者の胃袋をつかんだようだ。

コロナ対策が奏功

銚子丸は新型コロナウイルスの影響で未定としていた2021年5月期の業績予想を2020年9月15日に公表し、2021年5月期第2四半期の売上高を86億200万円、営業利益を2億4700万円、経常利益を2億6500万円、当期利益を1億800万円としていた。

これを3カ月後の12月15日に、売上高を87億8800万円に、営業利益を3億5600万円に、経常利益を3億8500万円に、当期利益を2億200万円に上方修正したうえで、決算発表を行った。

新型コロナウイルス感染症の影響がなかった前年同期(2019年5月16日-11月15日)と比べると、売上高は9.5%の減収となったものの、利益は営業で41.4%、経常で34.1%、当期で39.5%もの増益となった。

同社ではこの間、テイクアウトメニューを充実するとともに、8月には同社で初めてとなるテイクアウト専門店を開店するなど、テイクアウトサービスの拡充に取り組んだ。

さらに2020年5月に15店舗だった出前サービスの「出前館」の導入店を11月までに全店舗(93店)の7割近い64店舗に増やしたほか、7月に15店舗だった「ウーバーイーツ」の導入店も11月までに全店の9割強に当たる86店舗にまで増やし、デリバリサービスの充実にも取り組んだ。

こうした積極的なコロナ対策に加え、広告宣伝費や販促費の削減、不要不急の支出の圧縮などを進めた結果、コロナ以前の利益を上回ることができた。

【銚子丸の2021年5月期第2四半期】単位:億円

  売上高 営業利益 経常利益 当期利益
実績(2020年12月15日) 87.88 3.56 3.85 2.02
予想(2020年9月15日) 86.02 2.47 2.65 1.08
増加率(%) 2.2 43.8 45.1 86.8

2021年5月期通期は上振れの可能性も

2021年5月期通期の見通しについては、新型コロナウイルス感染症の拡大が「予断を許さない状況」として、9月に公表した数字を据え置いた。その内容は、売上高は前年度比1.5%の減収ながら営業利益は同3.3倍ほどの増益となり、当期損益は黒字化するというもの。

第2四半期の状況を見る限りこの見通しが上振れする可能性は高い。新型コロナウイルスの感染症者数が連日過去最多を更新する中、数字をどこまで引き上げることができるのか。さらなるコロナ対策がカギを握ることになりそうだ。

【銚子丸の業績推移】単位:億円、2021年5月期は見込み

  2019年5月期 2020年5月期 2021年5月期
売上高 193.16 180.76 178.07
営業利益 9.37 0.71 3.06
経常利益 9.82 1.39 3.29
当期損益 5.05 △0.93 1.49

文:M&A Online編集部

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