「ロボット」は苦境に喘ぐ飲食店を救うことができるのか

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写真はイメージです

新型コロナウイルス感染症が拡大する中、飲食店向けロボットの開発が活発化してきた。

アイリスオーヤマ(仙台市)とソフトバンクロボティクスグループ(東京都港区)が2021年2月1日に合弁会社アイリスロボティクス(仙台市)を設立し配膳ロボットなどの販売に乗り出すほか、これまで下膳機能に特化したロボットを手がけてきたスマイルロボティクス(東京都文京区)も、配膳機能を加えた新型ロボットを2021年1月27日に公表した。

飲食店はコロナ以前から人手不足による人件費の高騰が大きな経営課題になっていただけに、ロボットの導入機運は当面続くものと見られる。コロナ禍の中では店舗運営費などのコスト削減も重要なテーマとなっており、飲食店のロボット化ビジネスに乗り出す新たな顔ぶれは今後も増えそうだ。

アイリスとソフトバンク、合弁会社を設立

アイリスロボティクスはアイリスオーヤマが持つ新商品開発力や販売力と、ソフトバンクロボティクスグループが持つAI(人工知能)技術を活用して、法人向けサービスロボット市場を開拓する。

Servi アイリスエディション

すでに簡単な操作で配膳・運搬ができるロボット「Servi アイリスエディション」を準備しており、飲食店やホテル、旅館向けに売り込むほか、同ロボットで他の産業向けの屋内配送需要を掘り起こす。さらに音声案内や決済連携、画像認識などの機能を追加し、新しい市場を創造していく。

このほかにAI除菌清掃ロボット「Whiz i アイリスエディション」を品ぞろえしており、飲食業をはじめとする法人向け販売に力を入れる。同ロボットは、掃除業務の自動化だけでなく、空間や床面のウイルスや菌の削減効果が見込めるという。

今後、スピーカーやカメラを用いた販促やマーケティングへの活用といった清掃にとどまらない多様な用途開発を進める。さらに配膳ロボット、掃除ロボットに続く法人向けサービスロボットを開発し、世界に向けて幅広く提供していく計画だ。

スマイルロボティクス、日本代表する食企業と連携

スマイルロボティクスが開発したロボット「ACUR-C」は人の腕の機能を持つアームを装備しているため配膳と下膳を無人で行うことができる。

今後、動作スピードを上げ、動きをスムーズにするほか、実際の飲食店での実験などに取り組む。さらに宿泊施設や商業施設などの飲食店以外のサービス業への展開なども模索する。

スマイルロボティクスは、日清食品ホールディングスやカゴメなどの日本の食産業を代表する企業と、世界中のスタートアップ企業が協力して新しい食産業を創出する取り組みである「Food Tech Studio-Bites!」に採択されており、これを機会に開発を一層加速させていくという。

コロナ以前は飲食業をはじめ多くの業界で人手不足が問題化していた。コロナ感染症拡大期にある現在はコスト削減や、他社と差別化できるサービスや技術が求められている。

こうした問題を解決する手段の一つとしてロボットの活用が見込まれているわけで、コロナ後もこの流れは続きそうだ。

文:M&A Online編集部

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