餃子専門店「大阪王将」などを運営するイートアンドホールディングス(HD)<2882>が6年半ぶりにM&Aに踏み切った。同社はタンメンを中心とする中華料理店「横濱一品香」を運営する一品香(横浜市)を2020年12月30日に子会社化する。

タンメンは炒めた野菜に塩味のスープを加えた麺料理で、横浜一品香は横浜市内を中心に11店舗を展開している老舗。タンメンを取り込むイートアンドHDとはどのような会社なのか。

羽根つき餃子がヒット

イートアンドHDは1969年に大阪・京橋で大阪王将1号店を開店したのが始まり。当時は餃子とチャーハン、ラーメンの3品のみのメニューだったが、無料試食券が当たり、連日学生が押し寄せ繁盛したという。

その半年後には餃子専門店に業態を変更。メニューを餃子一品に絞り、餃子専門店チェーンをスタートさせた。

1991年に商事部(現・食品営業本部)を設け、食品事業をスタートしたほか、1997年には「よってこや」ラーメン事業部を設立、ラーメン業態の加盟展開を始めた。

2014年に発売した油や水なしで焼ける冷凍食品の「大阪王将羽根つき餃子」がヒット、2019年1月-12月に同商品の単品売上高が100億円を突破した。

現在、外食店舗は大阪王将を中心に、ラーメン、ベーカリー、カフェなどが全国に472店舗(2020年9月30日時点)ある。

2020年3月期の売上高は303億6100万円で、このうち「大阪王将羽根つき餃子」などの食品事業が162億9700万円、外食事業は140億6400万円だった。

【イートアンドHDの業績推移】単位:億円、2021年2月期は予想
※2021年から決算期を2月に変更
※2021年2月期は新型コロナウイルスの影響で当期損益が赤字に転落する見込み。

  2019年3月期 2020年3月期 2021年2月期
売上高 291.64 303.61 260.66
営業利益 8.34 8.1 1
経常利益 7.98 8.08 1.1
当期損益 3.36 3.4 △3.42

売り上げ逆転のきっかけに

一方の一品香は1955年に横浜・野毛で、広さ3坪(9.9平方メートル)、カウンター9席の店舗でスタートした。現在、創業以来の人気メニュ―である「絶品たんめん」や、味噌スープを使用した「味噌たんめん」などを提供している。

イートアンドHDのM&Aは、2014年に外食産業に関するコンサルティング事業を展開するフードランナーを子会社化して以来になる。

イートアンドHDは一品香の子会社化に伴い「横濱一品香の伝統と老舗の味は、今後のイートアンドグループの成長に寄与するとともに、両社の強みによって多くのシナジーを発揮することが可能」としている。

羽根つき餃子の急成長で、食品事業に売上高で抜かれてしまった外食事業だが、一品香の子会社化は再逆転のきっかけとなるだろうか。

【一品香の業績推移】単位:億円

  2017年12月期 2018年12月期 2019年12月期
売上高 8.49 8.48 8.19
営業利益 0.22 0.01 0.1
経常利益 0.26 0.05 0.15
当期損益 0.17 0.02 △0.21

文:M&A Online編集部