佐川とヤマト、「巣ごもり需要増」で明暗くっきり。その理由とは

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新型コロナ感染症(COVID-19)の拡大にもかかわらず、売り上げが好調な宅配(デリバリー)業界。しかし「佐川急便」のSGホールディングス<9143>と「宅急便」のヤマトホールディングス<9064>の業界大手2社で明暗は分かれている。

売上が多いのに利益は少ないヤマト

2020年9月中間決算でSGの売上高が前年同期比8.0%増の6348億円、営業利益が同141.1%増の524億円、純利益が同69.9%増の372億円だったのに対し、ヤマトは売上高が同0.7%増の8060億円、営業利益は333.2%増の269億円、純利益は前年同期の34億円の赤字から141億円の黒字に転換したものの、SGに比べると大きく見劣りする結果となった。

売上高ではヤマトの8割程度にすぎないSGが営業利益では約2倍、純利益では約2.6倍と収益性の違いが際立っている。注目すべきは売上高営業利益率で、SGはヤマトの2.5倍以上と格段の差がある。コロナ下の「巣ごもり消費」による通信販売荷物の増加で売り上げが伸びたのは、両社とも同じ。明暗を分けたのは、ネット通販最大手のアマゾンとの取引だった。

業績比較 (単位:億円)
  SGホールディングス ヤマトホールディングス
売上高 6,348 8,060
営業利益 542 269
純利益 372 141
売上高営業利益率 8.5% 3.3%

SGは2013年4月に配送料金で折り合わず、アマゾンとの取引を大幅に削減。同社に代わってヤマトがデリバリーを担当することになった。ヤマトはアマゾンからの大量の荷物を引き受けることでトラックやドライバーの稼働率を引き上げ、売上増とコスト削減による収益性の向上という「一石二鳥」を狙ったのだ。

が、アマゾンは翌日配送が無料となる「プライム会員」を積極的に増やし、配達日指定の荷物が急増。不在時の再配達業務などの負担もあり、追いつかない配達をカバーするための外部委託費や人件費の高騰を招き、利益を圧迫するようになった。

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2017/03/07

日立物流が日立製作所の物流子会社というのは過去の話。大手企業の物流子会社を次々と買収するなどM&Aを活用してグローバルな総合物流会社へと進化している。佐川急便との資本業務提携も進め、将来の経営統合も視野に入れる。