駅中(えきなか)のそば店の人手不足解消を目的に、JR東日本スタートアップ(東京都港区)は、調理ロボットの開発を手がけるコネクテッドロボティクス(東京都小金井市)と資本業務提携した。

他方、パナソニック<6752>は宅配員不足の解消を目的に、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンで、小型低速ロボットを用いた住宅街向け配送サービスの実証実験を始める。

少子高齢化の進展に伴い、飲食業界や物流業界では人手不足が深刻化しており、駅で食べるそばはロボットが作ってくれ、ネットで購入した商品はロボットが届けてくれる日が訪れるのは、そう遠い先のことではないかもしれない。

駅中飲食店のロボット化も推進

JR東日本スタートアップはJR東日本<9020>の子会社で、ベンチャー企業への出資や協業を行うベンチャーキャピタル。コネクテッドロボティクスは飲食店のキッチン向け調理ロボットの開発を行っているスタートアップ企業。

両社は連携してAI(人工知能)や制御技術を活用し、駅そば業態の人手不足の解決と味の均一化などに取り組んできた。その中で実証実験を行った「そばいちnonowa東小金井店」で効果が確認できたことから、本格展開に向けて資本業務提携に踏み切ることにした。

新型コロナウイルス感染症が拡大する中、人手不足の解消、味の均一化に加え、来店客との接触を低減することも可能になるため、両社では駅そばロボットの開発だけでなく、駅中の飲食店のロボット化にも取り組む計画という。

2021年2月から実証サービスを開始

パナソニックは2020年内に、宅配用の小型低速ロボットの公道での走行検証を行い、2021年2月からロボットによる宅配の実証サービスを開始する。

Eコマース(電子商取引)やフードデリバリーなどで宅配サービスに対するニーズが拡大しているうえ、新型コロナウイルス感染症の拡大で届け先住民との接触を減らすニーズもあるため、実用化に向けた取り組みを加速することにした。

パナソニックの小型低速ロボット(同社ニュースリリースより)

今回のロボットは管制センターとインターネットでつながっており、管制センターのオペレーターがロボット周囲の状況を常時監視しながら配達を行う。また通常はロボットが障害物を回避しながら自律走行するが、自動回避が困難な場合は管制センターからの遠隔操作に切り換えて走行する。

外出や会食の自粛など日常生活を大きく変えてしまった新型コロナウイルスだが、生活のさまざま場面でロボット化が進展する起爆剤にもなりそうだ。

文:M&A Online編集部