2018年のヘルスケア分野は2017年に比べ買収金額が急増した。武田薬品工業<4502>によるアイルランドの製薬会社シャイアーの買収金額が日本のM&A史上過去最高の約7兆円と高額だったためだ。武田薬品を除けば金額、件数とも前年を下回っており、2018年のヘルスケア分野は武田薬品一色の1年だった。

ヘルスケア分野は医薬品、調剤薬局・ドラッグストア、医療サービスの3業種からなる。2018年の買収金額は7兆3363億5800万円で、2017年の1兆824億1400万円に比べ、7倍ほどに膨らんだ。一方、件数は2018年が28件で、2017年の44件の6割ほどにとどまった。

  2018年 2017年
  件数 金額(百万円)件数 金額(百万円)
医薬品 97329742
20 994310
調剤薬局・ドラグストア 134410 10 39638
医療サービス 9 2206 14 48466
合計 28 7336358
44 1082414

買収金額全体の99.9%が医薬品

2018年の内訳をみると、医薬品の買収金額が7兆3297億4200万円で、2018年の買収金額全体の99.9%を占めた。1位の武田薬品の約7兆円の次は、大塚製薬ホールディングス<4581>がフランスの医薬品メーカーUPSA SASを完全子会社化する案件で、買収価格は1823億円。

3位は富士フイルムが、JXTGホールディングス<5020>のグループ会社であるバイオ医薬品関連の米アーバイン・サイエンティフィック・セールス・カンパニー(カリフォルニア州)と、アイエスジャパン(埼玉県戸田市)の全株式の買収を決めた案件で、買収価額は約852億円だった。

調剤薬局・ドラッグストアは件数が2017年より3件増え13件となったものの金額は2017年の396億3800万円の88.9%減の44億1000万円にとどまった。

買収金額の最高はメディカルシステムネットワーク<4350>が永冨調剤薬局の全株式を取得し子会社化することを決めた案件で、34億9400万円。

2位はソフィアホールディングス<6942>による、調剤薬局のオリーブ薬局とソレイユ薬局を取得することを決めた案件で、買収金額は2億500万円だった。

医療サービスは件数が2017年より5件少ない9件となり、金額も2017年の484億6600万円から95.4%減の22億600万円と大幅に減少した。

主な案件はウイン・パートナーズ<3183>による医療機器販売・賃貸・保守サービスのエムシーアイの完全子会社化と、エムスリー<2413>による新日本科学<2395>の子会社の臨床試験支援業務を手がける新日本科学SMOの完全子会社化で、買収金額はいずれも10億円だった。

文:M&A Online編集部