【2018年7-9月期】日本企業M&A公表案件ランキング

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日本M&A 初の30兆円超|IN-OUT案件過去最高額|日本企業による海外買収 世界第2位

日本M&A案件 概要

2018年1-9月期の日本関連M&A公表案件は、前年同期比147%増加の30.6兆円と、通年べースで比較しても過去最高額を記録し、初の30兆円を突破した。1,000億円超の案件は35件、総額24.5兆円が公表され、前年同期から249.2%増加した。

ターゲット側の業種別でみると、ヘルスケアが9兆円、全体の29.5%を占めて首位となった。続く通信は、6.4兆円を記録し、21%を占有した。

マーケット別でみると、最も活発だったのはIN-OUT案件で、前年同期比164%増となる16兆円と、1980年の集計開始以降最高額を更新した。日本は海外企業の買収国としては世界2位となった。日本企業による米国をターゲットとした案件は、ルネサスエレクトロニクスによるインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー買収案件に後押しされ、3.7兆円を記録、前年同期比では16.1%増加し2015年に次ぐ歴代2位の規模となった。

国内案件は、前年同期比138.4%増の6.5兆円に達し、2007年以降で最高額となった。これには総額1.2兆円に上るJE題による東京電力FP及び中部電力の火力発電事業買収案件、7-9月期では福岡空港民営化案件(4,460億円)、ヤフーによる自社株買案件(2,200億円)などが寄与した。OUT-IN案件は、2,237億円に落ち込み1997年に次ぐ低水準であった。

完了案件は、前年同期比1.1%の微減となる12.2兆円、推定手数料合計金額は2,050億円で、前年同期比4.1%減少となった。

日本企業関連 公表案件 上位10位

順位 ランク日 被買収側 被・国籍 買収側 買・国籍 最終親・国籍 ランクバリュー(億円) 被・業種 被・アドバイザー 買・アドバイザー
1 2018年4月19日 シャイアー アイルランド   武田薬品工業 日本 日本 83,864 ヘルスケア 三菱UFJ モルガン・スタンレー/シティ/ゴールドマンサックス 野村證券/エバーコア
2 2018年4月29日 スプリント 米国 TモバイルUS 米国 ドイツ 63,987 通信 みずほ証券/SMBC日興証券/JPモルガン/レイングループ/センタービューパートナーズ 三菱UFJ モルガン・スタンレー/ゴールドマンサックス/PJTパートナーズ/ドイチェ銀行/エバーコア・パートナーズ/クレディースイス/バークレイズ/カナダロイヤル銀行
3 2018年1月18日 ウーバー・テクノロジーズ 米国 投資家グループ 日本 日本 8,520 ハイテクノロジー ゴールドマン・サックス
4 2018年9月10日 インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー 米国 ルネサスエレクトロニクス 日本 日本 7,212 ハイテクノロジー JPモルガン 三菱UFJ モルガン・スタンレー/みずほ証券/バンクオブアメリカ・メリルリンチ
5 2018年1月31日 富士ゼロックス 日本 富士ゼロックス 日本 日本 6,710 ハイテクノロジー ゴールドマンサックス/センタービューパートナーズ 野村證券/三菱UFJモルガンスタンレー
6 2018年1月31日 ゼロックス 米国 富士フイルムホールディングス 日本 日本 6,659 卸売、サービス ゴールドマンサックス/センタービューパートナーズ 三菱UFJ モルガン・スタンレー/シティ
7 2018年7月5日 プラクスエア スペイン 大陽日酸 日本 日本 6,436 原料、材料 クレディ―スイス/ドイツ銀行 みずほ証券
8 2018年2月27日 東京電力F P- 火力発電事業 日本 JERA 日本 日本 6,289 エネルギー電力 バンクオブアメリカ・メリルリンチ/GCA 三菱UFJ モルガン・スタンレー/野村證券/みずほ証券
9 2018年2月27日 中部電力- 火力発電事業 日本 JERA 日本 日本 5,945 エネルギー電力 三菱UFJ モルガン・スタンレー/野村證券/みずほ証券 バンクオブアメリカ・メリルリンチ/GCA
10 2018年1月4日 ウェスティングハウス・エレクトリック 米国 ブルックスフィールド・ビジネスパートナーズ バミューダ カナダ 5,186 エネルギー電力 ラザード/ロスチャイルド/PJTパートナーズ/Alixパートナー クレディー・スイス/BMOキャピタルマーケッツ

出典:Refinitiv(リフィニティブ)

(注)公表案件ランキングは、トムソン・ロイターが認識している2018年1月1日から9月30日の期間に公表された案件を対象としており、今期および昨年のデータは日本時間2018年10月2日に抽出したものである。ランキングにおける取引金額はすべて日本円で表示され、不動産案件は除外している。リーグテーブル対象となるのは、合併、買収、市場を介さない自己株式取得スピンオフ、公開買付による自社株買い、少数株主持ち分(50%以下)の株式取得、及びデット・リストラクチャリング案件である。

本件の詳細・その他のランキングは、こちらからどうぞ(PDFリンク)
https://www.thomsonreuters.co.jp

本記事は、「Refinitiv 2018年第3四半期 M&A市場リーグテーブル<日本市場版>」より転載許可をいただいて一部掲載しています。

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