日本政策金融公庫は調査月報11月号に、宮永博史東京理科大学大学院経営学研究科技術経営専攻教授の論文「勝てるビジネスモデルを定義する-あの大企業はなぜダントツなのか-」を掲載した。

なぜ超高収益を実現できるのか

世の中にはあまり知られていないが、超高収益を実現している企業があり、宮永教授はこれを「ダントツ企業」と呼び、その研究に取り組んでいる。

ソフトバンクが3兆3000億円で買収した英国のARMはその一例。同社は日本人にとっては無名の企業だったが、スマホに搭載されているCPUで95%という高いシェアを持つという。

さらに宮永教授はよく知られた企業ではあるが、実態についてはあまり知られていない企業も「ダントツ企業」と呼んでおり、その事例として今回の論文では、セブン銀行にスポット当てた。

セブン銀行はATM(現金自動預払機)を用いたビジネスに「深いものが隠れている」とし、セブン銀行がなぜ高収益を上げているのかを分析し、勝てるビジネスモデルについて検証した。

 場にかかわる全員がハッピーになることが重要

宮永教授はセブン銀行のほかにもARMやネスレ、アイリスオーヤマ、長野中央タクシー、ウェザーニューズ、ディスコなどについても分析を行っており、それらの結果を踏まえ、論文の最後をアドバイスで結んだ。

「ダントツ企業をみていてわかることは、場にかかわる全員がハッピーになることを心掛けている点だろう。自分だけよくても長続きしない。あるいは創造的模倣者に追い抜かれてしまう。考えてみれば、これは「三方よし」そのものだ。ただ、場に登場するプレーヤーが3者以上であることが多いので、「三方」の「三」は、より大きい整数になることに配慮するとよいだろう」としている。

宮永博史(みやなが・ひろし)東京理科大学大学院経営学研究科技術経営専攻教授 

東京大学工学部卒業。MIT大学院修。 NTT、 AT&T、SRIインターナショナル、デロイトトーマツコンサルティング(現·アビームコンサルティング)を経、2004年より現職。

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文:M&A Online編集部