東証の「適時開示」ベースで、経営権の移動を伴う子会社化などの買収案件(グループ内再編は除く)を集計したところ、3月は49件と前月に比べ3件減った。買収金額をみると、比較的大型案件が目立ち、東レ<3402>がオランダの炭素繊維メーカーを1230億円で子会社化したのを筆頭に、100億円超が4件(前月2件)、20億円超だと12件と前月より5件多かった。また、日本企業による海外企業の買収(IN-OUT型)8件中、3件はオランダ企業を対象としたもので、東レの案件以外も金額は166億円、91億円といずれも規模が大きかった。

オランダ企業の大型買収相次ぐ

東証の適時開示は上場企業(東京、名古屋、福岡、札幌の各証券取引所に上場)に義務付けられた「重要な会社情報の開示」のことで、公正な株価形成と投資家保護を目的とする。さまざまな開示情報のうち、ここでは子会社化、事業譲受の買収案件についてM&A Online編集部が集計した。

東レが買収で合意したテンカーテ・アドバンスト・コンポジット・ホールディングス(TCAC)は熱可塑性を用いた炭素繊維基材でトップクラスにあり、航空宇宙分野で豊富な採用実績を持つ。買収金額1230億円は同社として過去最大のM&Aとなる。2018年後半に一連の取得手続きを終える見通し。

3月発表の買収案件49件のうち、IN―OUT型は8件(前月9件)だったが、いずれも規模が大きい。東レに次ぐのが日本通運<9062>によるイタリアのアパレル物流会社、トラコンフ(ヴェローナ)の完全子会社化(買収金額190億円)だ。日通は2013年、同じくイタリアのアパレル物流大手、フランコヴァーゴ(フィレンツェ)を買収。両社の連携を通じてファッションロジスティクス分野で国際間輸送から製品保管、配送までの一貫サービスを高品質に提供する考えだ。

三精テクノロジーズ<6357>は、遊戯機械メーカーのオランダVekoma Ridesの全株式を166億円で取得した。三精は2012年に、米国の同業大手S&S Worldwideを傘下に収めており、日米欧の3極でグローバルな生産・販売体制を実現し、世界トップの遊戯機械メーカーを目指す。

蘭の炭素繊維大手を約1200億円で買収する東レの本社がある日本橋三井タワー(東京都中央区)