企業家的情熱が合併、買収先企業の事業を成長させる

日本政策金融公庫は日本政策金融公庫論集の第39号に、山本聡東京経済大学経営学部准教授の論文「中小製造業のM&Aと事業成長における企業家的情熱、使命感、やり抜く力」を掲載した。

論文は「企業家がどのように中小製造業の合併、買収を行ったのか」「どのように標的企業の事業機会を発見したのか」「どのように当該事業機会を活用し、事業成長を実現したのか」に対する答えを導き出した。

事例研究として3社の例を挙げ、合併、買収と事業成長に関して企業家的情熱、使命感、やり抜く力がどのように介在したかを明らかにした。

その結果「企業家は自身の経験から、日本の製造業に関する使命感を有するようになった」「その使命感が企業家的情熱を惹起させ、中小製造業の合併、買収の駆動力となり、標的企業の事業機会の発見につながった」「企業家的情熱はやり抜く力へと変貌し、合併、買収の標的企業の経営改善や事業成長を実現させた」ことなどが分かった。

企業家的情熱や使命感、やり抜く力などのアントレプレナーシップ研究のテーマを中小製造業のM&Aに適用し解釈した例はほとんどなく、中小企業経営論の新しい視点となりそうだ。

論集は5月25日発行で、A4サイズ75ページ。山本氏の論文はこのうち15ページを占めている。問い合わせは日本政策金融公庫総合研究所(03・3270・1687)へ。

文:M&A Online編集部

【参考】日本政策金融公庫論集 https://www.jfc.go.jp/