日本経済はお盆ウイークに入り、小休止といったところだが、8月前半のM&Aはいつになく大型の案件が目立っている。JTが1645億円を投じてバングラデシュ2位のたばこ事業を買収するのを筆頭に、取得金額が100億円を超える案件はすでに7件。100億円超の案件は1~7月で26件(東証の適時開示ベース)だったが、半月足らずでその4分の1に達する高水準だ。

100億円超の買収、8月はお盆前ですでに7件

お盆入り前の8月1~10日の買収件数(グループ内再編を除く)は31件。件数は前年同時期に比べ10件ほど多いが、100億円超の案件は7件と、前年の3件から倍増した。80億円台、60億円台の案件もそれぞれ1件あり、全体として中規模以上の案件が集中した格好だ。

JTが今回発表したのはバングラデシュのアキジ・グループが持つ同国第2位のたばこ事業の買収。買収金額は1645億円にのぼる。JTは7月にロシアのたばこ大手ドンスコイを約1900億円で買収(買収発表は3月)を完了したばかり。JTは今年の買収金額ランキングで4位と5位を占める。

実は、前年8月も最大案件は今年と同じJT。インドネシアのたばこ会社ディア・マハディカと流通会社を約1100億円で買収することを発表した。国内を含め先進国中心にたばこ需要が縮小する中、新興国でのM&Aにアクセルを踏み込んでいる。

第一生命HD本社(東京・有楽町)

第一生命ホールディングスは豪生保大手のサンコープライフを526億円で買収する。同社は1月に米リバティライフの既存保険契約(保険ブロック)を1400億円で買収を発表している。今回買収するサンコープライフの2017年6月期の保険料等収入は約660億円、当期純利益は約53億円。第一生命HDは2011年に豪保険大手のTALを傘下に収めており、同国での保険会社買収は2社目となる。

製造業で活発な動き

業種では製造業で活発な動きがみられる。新日鉄住金は山陽特殊製鋼が実施する第三者割当増資を672億円で引き受け、所有割合を現在の15.3%から51.5%に高めると発表した。新日鉄住金は3月に、グループの特殊鋼事業再編を目的に山陽特殊製鋼の子会社化について検討を始める方針を明らかにしていた。

電炉大手の合同製鉄は同業中堅の朝日工業をTOB株式公開買い付け)で子会社する。取得金額は最大126億円。合同製鉄は新日鉄住金の持分法適用会社。

FUJIは半導体製造装置メーカーのファスフォードテクノロジ(山梨県南アルプス市)を219億円、アマダホールディングスはプレス機械用材料供給装置大手のオリイメックを125億円で、それぞれ完全子会社化する。また、マクセルホールディングスは日本政策投資銀行と共同で、電動工具や理美容機器を手がける泉精器製作所(長野県松本市)を子会社化する。特別目的会社(中間持ち株会社)を通じて泉精器の全株式を182億円で取得する。

お盆明け後半戦を前に、2018年の日本企業によるM&Aを金額ランキングで振り返ると。