2018年7月-9月に発表された主要なM&A案件

2018年7月-9月に発表されたM&A案件から抜粋してご紹介します。記事は公表時点のものです。

公表日業種企業名概要
7月10日 エネルギー 出光興産・昭和シェル石油 出光興産と昭和シェル石油は2019年4月1日に経営統合する。出光が昭和シェルの発行済み株式のすべてを株式交換によって取得し、完全子会社化する。株式交換比率の合意は2018年10月を予定している。石油元売り2位の出光興産と同4位の昭和シェル石油の両社は2015年7月に経営統合に向けた協議開始で基本合意。この間、出光の創業家が両社の企業文化の違いなどを理由に統合に反対したことから統合計画は宙に浮く形となっていたが、今回、創業家が統合に賛同の姿勢に転じた。
7月11日 IT ヤフー ヤフーは、料理動画レシピサービス「kurashiru(クラシル)」を提供するdely(売上高2億8900万円、営業利益△30億6700万円、純資産20億700万円)を子会社化する。ヤフーは傘下のファンドを通じてすでにdely株式の15.9%を所有するが、今回、株式を追加取得して所有割合を45.6%に高める。併せてdelyに取締役の過半数を派遣して連結子会社化する。両社は食やレシピの領域で戦略的パートナーシップを築くことで合意した。株式取得価額は約93億2200万円。
7月19日 IT ベクトルベクトルは、あしたのチーム(売上高27億6000万円、営業利益2億3400万円、純資産3億8100万円)の株式を追加取得し、子会社化する。議決権所有割合は2.8%から54.1%に高まる。あしたのチームは企業向けに、人事評価制度の導入・運用支援を中心とした人事関連クラウドサービスを展開している。ベクトルはPRコンサルティングサービスなど業務面に加え、2015年には同社に一部出資するなど関係を深めていた。今後、ベクトルグループにおいて人材領域を強化し、さらなる成長につなげていく。株式取得価額は32億5800万円。
7月31日 運輸 東武鉄道 東武鉄道は、同社の持分法適用関連会社で、スーパーマーケットを運営する東武ストアに対して完全子会社化を目的とした公開買付を実施する。東武鉄道は、東部ストア株式を間接保有分含め現在29.40%所有しているが、100%所有を目指す。東武ストアの筆頭株主(所有割合33.27%)の丸紅も公開買付に応募することで合意している。東武鉄道が営む駅ナカショップ、駅ビル等と東武ストアが連動することにより、グループの流通事業全体の競争力向上と東武ブランドの強化に寄与すると判断している。買付価格は1株当たり3,939円で、前日終値に対して12.70%のプレミアム。買付総額は最大176億2900万円。
8月6日 食料品 JT 日本たばこ産業(以下JT)は、バングラデシュ第2位のたばこ会社であるAkijGroup(以下アキジグループ)のたばこ事業を買収する。アキジグループがたばこ事業を移管するために設立したUDTC社の全株式を取得する。バングラデシュは、紙巻たばこの総需要860億本で世界第8位の市場。アキジグループは、同国で第2位となる約20%のシェアを有している。JTは7月にロシア4位のたばこ会社ドンスコイを約1900億円で買収したばかり。国内を含め先進国を中心にたばこ需要が縮小する中、新興国で積極的なM&Aを展開している。事業取得価額は1645億円。
9月7日 電気機器 パイオニア パイオニアは、ファクトリー・オートメーション(FA)機器の製造を手がける子会社の東北パイオニアEG(売上高124億4200万円、営業利益19億1600万円、純資産64億8400万円)の全株式をデンソーに譲渡する。東北パイオニアEGは、自動車や電気・電子、医療、食品、半導体業界などを主要顧客に各種FA機器を生産している。経営再建中のパイオニアは主力のカーエレクトロニクス分野に経営資源を集中させる方針で、グループ事業の抜本的な見直しに取り組んでいる。株式譲渡価額は109億円。
9月10日 専門商社 加賀電子加賀電子は、同業の電子部品商社である富士通エレクトロニクス(売上高2587億300万円、営業利益26億3100万円、純資産353億7900万円)の全株式を取得し、子会社化する。株式取得は3段階に分けて実施し、2021年中に完全子会社化する。加賀電子は独立系のエレクトロニクス商社で、同業の富士通エレクトロニクスを子会社化することで電子部品・半導体ビジネスやEMSビジネスの拡大につなげる。株式取得価額は205億4300万円。
9月11日 電気機器 ルネサスエレクトロニクス ルネサスエレクトロニクスは米半導体メーカーのインテグレーテッド・デバイス・テクノロジーズ(売上高927億800万円、営業利益121億9900万円、純資産709億9400万円、以下IDT)を完全子会社化する。IDTは、データセンターや通信インフラ向けなどビッグデータを扱うデータエコノミー関連市場向けに製品を提供するグローバル半導体企業。需要拡大が見込まれる通信用半導体の開発力強化や製品の相互補完を目的とする。株式取得価額は約7330億円。

本記事は、経営者のためのM&A情報誌SMART vol.27号より転載しております。

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まとめ:M&A Online編集部