昨年のユニゾ争奪戦と違う?DCMとニトリの「島忠TOB戦争」

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ニトリとDCMが奪い合う島忠(大阪市鶴見区の「ホームズ鶴見店」、同社ホームページより)

国内家具製造販売最大手のニトリホールディングス<9843>が2020年10月29日、国内ホームセンター業界2位のDCMホールディングス<3050>が進めている同7位の島忠<8184>へのTOB株式公開買い付け)に参入し、完全子会社化を目指すと発表した。

ユニゾよりも高額の敵対的TOB

国内家具最大手のニトリが島忠を買収し、ホームセンター事業に参入する。(ニトリホームページより)

2019年にエイチ・アイ・エス<9603>とソフトバンクグループ<9984>系の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループが争い、2020年4月にようやく決着がついたユニゾホールディングス(東京都中央区)のTOBに続く争奪戦となる。が、島忠をめぐるTOB合戦はユニゾとは様相が異なる。

ユニゾが最初に仕掛けられたのはエイチ・アイ・エスによる敵対的買収だった。ユニゾ経営陣は「ホワイトナイト白馬の騎士)」としてフォートレスに友好的TOBを依頼している。島忠のケースは、これとは逆で最初のDCMによるTOBは島忠経営陣も賛成を表明する友好的買収だった。そこにニトリが新たなTOBを仕掛けてきたのである。島忠経営陣が反対を表明すれば敵対的買収になる。

ニトリのTOB買付価格も「異次元」だ。現在進行中のDCMの1株当たり買付価格4200円に対して、ニトリは5500円。一気に1300円(30.9%)も引き上げた。DCMによるTOBとニトリ参入報道で高止まりしていた発表前日の終値4890円に610円(12.4%)のプレミアムを上乗せした格好だ。

ユニゾ争奪戦ではエイチ・アイ・エスが3100円でTOBを仕掛けると、フォートレスは900円(29.0%)高い4000円で対抗した。プレミアム率こそ大きく変わらないが、買付代金は最大でユニゾが約1368億円なのに対し、島忠は約2142億円と1.6倍近い。

TOBの争奪戦では株価が急騰する。島忠の場合は、DCMが買取価格を引き上げるのではないかとの期待が高まるからだ。事実、参入発表翌日の30日には島忠株はニトリの買付価格を上回る5650円をつけた。

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