米グーグルによる米フィットビットの買収が、世界中で警戒されている。2020年6月16日に欧州連合(EU)の反トラスト法(独占禁止法)当局が、アルファベット傘下のグーグルが計画するウェアラブル端末メーカー、米フィットビットの買収承認について7月20日までに判断すると発表した。

膨大な健康データがグーグルに渡ることを懸念

同買収については欧消費者団体BEUCが5月に「消費者の利益を損ない、独占によりイノベーションを妨げる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。EUは条件つきを含めて同買収を承認するか、もしくは「深刻な懸念がある」として4カ月間の調査を決めるという。

6月18日にはオーストラリアの公正取引委員会に当たる競争・消費者委員会(ACCC)が、「インターネット広告とヘルスケア市場で競争が阻害される懸念がある」と指摘した。今後、関係者からの意見聴取や海外の競争監視機関と連携した調査などを経て、8月13日に最終判断を示す。

ACCCは「フィットビットが10年以上にわたり消費者の歩数や心拍数、睡眠に関する情報を収集してきた」と指摘し、同社の買収により「グーグルがより健康状況を含めた消費者データを一括収集し、ネット広告市場などで競合他社に対する参入障壁を高めることになる」と懸念している。

フィットビット買収が警戒されているのは、同社がこれまでに販売した1億台を超えるウェアラブル機器経由で集積した個人健康関連データの存在だ。食品や飲料など消耗品や健康関連商品の広告やサービスが、フィットビットのデータやテクノロジーを得たグーグルの独占状態になる可能性もあるからだ。

フィットビットの収集した膨大な健康データの行方は…(同社ホームページより)