ホンダが満を持して投入したEV「Honda e」が残念な理由

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ホンダ<7267>が同社初となる量産電気自動車(EV)の「Honda e」を、2020年10月に日本で発売する。世界初という5枚のスクリーンを水平に配置した「ワイドビジョンインストルメントパネル」や「OK、Honda!」と声をかけるとAIで質問に答える音声認識アプリ「Honda パーソナルアシスタント」といった「新機能」が盛りだくさんだが、スペック面では今ひとつのモデルと言わざるを得ない。

「ワイドビジョンインストルメントパネル」の採用など新技術満載の「Honda e」(同社ホームページより)

高級EVに匹敵する高価格だが、性能は…

最大の問題は451万円からという価格設定だ。EVとしては法外な価格ではないが、高級EVメーカー米テスラの入門車「モデル3」や独高級車メーカーBMWのEV「i3」との日本国内での価格差が、最低価格車でそれぞれ60万円、48万円とそれほど大きくない。

が、性能面では両車に後れを取る。とりわけ「モデル3」との格差は大きい。最低価格車同士では「Honda e」の航続距離が「モデル3」の7割程度、最高価格車同士では半分にも達しない。バッテリー保護のためにスピードリミッターが働くとはいえ最高速度は80〜116km/hも離され、定員も1人少ない。スペックは「惨敗」で、ブランドイメージも低い。「Honda e」に451万円を出せるユーザーなら、よほど狭い道を日常的に移動するのでない限り、あと60万円追加して「モデル3」を購入するだろう。

先発の国産EVと比べても「Honda e」は分が悪い。日産自動車<7201>の「リーフ」は最低価格車で「Honda e」よりも128万3600円安いが、航続距離は逆に39km長く、定員も1人多い。三菱自動車<7211>の軽EV「iMiEV」と比べれば「Honda e」のスペックは大きく上回るが、相手は11年前の2009年7月に発売した古いモデルだけに当然といえる。しかも、「iMiEV」の価格は「Honda e」の約3分の2だ。

主要量産 EV比較
車種名  Honda e テスラ モデル3 BMW i3 日産 リーフ 三菱 iMiEV
価格(税込) 451万円〜495万円 511万円〜717万3000円 499万円〜559万円 332万6400円〜499万8400円 300万3000円
航続距離(WLTC) 259〜283km 409〜560km 360km 322〜458km 164km(JC08)
最高速度 145km/h 225〜261km/h 150km/h 140km/h* 130km/h
定員 4人 5人 4人 5人 4人

*リーフの最高速度は推測値

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