新型コロナウイルスのワクチンと治療薬で世界のトップを走る英米の製薬メーカー2社の合併が囁かれている。

過去最大の製薬合併説の裏にコロナあり

英アストラゼネカ(年間売上高243億8000万ドル=約2兆6000億円)が米ギリアド・サイエンシズ(同224億5000万ドル=約2兆4000億円)に提携に向けた交渉を持ちかけたという。まだ正式な提携や合併交渉には入っていないが、これが実現すれば医薬品業界では過去最大の合併になる可能性がある。

それにしても新型コロナウイルス感染症対策の決め手となるワクチンと治療薬の開発は、成功すれば文字通り「世界を支配できる」強力な新商品になるはず。その有力候補を持ちながら、今なぜ合併なのか?

実は新型コロナのワクチンや治療薬は開発に成功しても、大きな収益には結びつかないという。理由は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような新しい感染症は、がんやアルツハイマー型認知症といった非感染症に比べると一過性の「流行病」になりがち。

しかも流行は一気に起こるため、必要とされる時には大量生産を求められる一方、沈静化すれば「用なし」になる。需要が平準化しておらず、投資や生産の効率が最も悪い商品なのだ。