2020年10月27日、中国政府が2035年以降の新車販売を電気自動車(EV)などの新エネルギー車(NEV)かハイブリッド車(HV)に限定する方針を明らかにした。もっとも中国での販売台数が多い自動車メーカーにとっては「想定内」の事態。すでに中国ではEV化に向けた合弁企業の設立が相次いでいる。

初のEV合弁設立から10年、機は熟したか?

初のEV合弁は2010年5月に独ダイムラーが比亜迪股份有限公司(BYD)と折半出資で設立した「深圳騰勢新能源汽車有限公司(Shenzhen DENZA New Energy Automotive Co., Ltd.)」。2014年9月に初の量産EVとなる「DENZA(騰勢)」を発売した。

その後、EV合弁は影を潜めるが、2017年に突如として新たなEV合弁会社が設立される。6月に独フォルクスワーゲン(VW)が安徽江淮汽車集団(JAC)と「江淮大衆汽車有限公司(JAC Volkswagen Automotive Co., Ltd.)」を、8月に米フォード・モーターが衆泰汽車股份有限公司と「衆泰福特汽車有限公司(Zotye Ford Automobile Co., Ltd.)」を、9月にはルノー・日産自動車<7201>連合が東風汽車集団股份有限公司と「易捷特新能源汽車有限公司 (eGT New Energy Automobile Co., Ltd.)」を、それぞれ立ち上げる。

そして2020年に再びEV合弁ラッシュがやって来た。4月にトヨタ自動車<7203>がBYDとEV研究開発合弁の「比亜迪豊田電動車科技有限公司(BYD TOYOTA EV TECHNOLOGY CO., LTD.)を設立する。10月に独アウディが中国第一汽車集団有限公司とEV生産の合弁会社を設立することで覚書を締結、2024年から中国市場向けにアウディの高級EV生産を開始する。同月には日野自動車がBYDと商用EVを開発する合弁会社設立で合意しており、2020年代前半に日野ブランドの商用EVを発売する予定だ。

年月グループ海外企業中国企業出資比率合弁内容
2010年5月独ダイムラー独ダイムラー比亜迪股份有限公司(BYD)50%/50%深圳騰勢新能源汽車有限公司を設立。2014年9月から「DENZA(騰勢)」ブランドでEVを販売中。
2017年6月独VW独VW安徽江淮汽車集団(JAC)VW75%江淮大衆汽車有限公司を設立。2020年5月にVWが出資比率を50%から75%に引き上げ、併せて親会社JAC株の50%を取得。EVのラインナップを、最大5車種に拡大する。
2017年8月米フォード米フォード衆泰汽車股份有限公司50%/50%衆泰福特汽車有限公司を設立。
2017年9月ルノー・日産ルノー・日産東風汽車集団股份有限公司ルノー25%/日産25%/東風50%易捷特新能源汽車有限公司を設立。ルノー・日産の小型SUVプラットフォームをベースにしたEVを生産。
2020年4月トヨタトヨタ比亜迪股份有限公司(BYD)50%/50%EV研究開発合弁の比亜迪豊田電動車科技有限公司を設立。
2020年10月独VW独アウディ中国第一汽車集団有限公司未定EV生産の合弁会社を設立することで覚書を締結。2024年から中国市場向けにアウディの高級EV生産を開始する。
2020年10月トヨタ日野自動車比亜迪股份有限公司(BYD)50%/50%
商用EVを開発する合弁会社設立で合意。2020年代前半に日野ブランドの商用EVを市場投入する計画。