新型コロナの逆風下、上場外食企業の間で希望退職者の募集が広がっている。居酒屋「はなの舞」などを展開するチムニーが8月13日から100人規模で募集を始めた。これに先立ち、6月に「釜揚げ讃岐うどん 香の川製麺」のフレンドリー、7月に「いきなり!ステーキ」のペッパーフードサービスが実施した。いずれも大幅な閉店とのセットだ。

外食業界は今年に入り、新型コロナウイルス感染拡大による休業や営業時間短縮、外出自粛などの影響で業績が急速に悪化。5月末の緊急事態宣言解除の後も客足が戻っていない。こうした中、まとまった数の閉店が相次いでおり、希望退職者募集の動きが今後、他社にも波及する可能性がある。

チムニー、全社の1割にあたる100人募集

チムニーが募集する約100人は7月末時点の正社員971人のおよそ1割にあたる。病院など特定施設内の食堂を運営受託するコントラクト事業部門の社員(約80人)を除き、8月26日まで募集中。居酒屋業態主体から食事需要に対応した新業態(焼肉など)への転換を進める中、企業体質の強化と事業規模に見合った人員の適正化を狙いとしている。

同社は2020年3月期決算で28億円の最終赤字(前期は12億円の黒字)に転落したのを受け、72店舗(6月末、全630店舗)の閉店を決定。コロナの影響をまともに受けた直前の21年3月期第1四半期(4~6月期)は売上高が21億円と前年同期比80%減り、最終赤字も17億円(前年同期は2億4800万円の黒字)に上った。

フレンドリー、「香の川製麺」に業態一本化

産業界では今年に入り、40社近い上場企業が希望退職者の募集を発表。このうち、外食では昨年、希望退職者の募集は見当たらなかったが、今年はチムニーを含めて3社を数える。

そのトップバッターは関西を地盤とするフレンドリーだ。6月中旬から正社員・準正社員を対象に110人程度の募集を始めた。全70店舗のうち、「釜揚げ讃岐うどん 香の川製麺」を除く居酒屋を中心とする41店舗を順次閉店し、収益性の高いうどん専門店に業態転換を決断したのだ。

同社は2018年に、西日本を主体にファミリーレストランを展開するジョイフルの傘下に入った。かねて本社部門のスリムや不採算店舗の閉店を進めてきたが、コロナ感染による急激な業績悪化を受け、抜本的な構造変革で生き残りを目指す。

ペッパー、「いきなり!ステーキ」に集中

ペッパーフードサービスは、主力の「いきなり!ステーキ」事業で114店舗を閉店するのに合わせ、約200人の希望退職者を募集した。7月初めに計画を発表し、同月中に早々に募集を終えた。応募は183人。もう一方の柱の「ペッパーランチ」事業(190店舗)は投資ファンドのJ-STAR(東京都千代田区)に85億円で8月末に売却する。

「いきなり!ステーキ」事業は売上高の約8割を占めるが、急激な出店の結果、同一エリア内で競合するなど業績の足を引っ張っていた。そこにコロナ禍が襲い、業績不振に拍車がかかった。7月末時点の「いきなり!ステーキ」の国内店舗数は374。

ペッパーフードサービス…「いきなり!ステーキ」事業で200人規模の希望退職者を7月に募集した