国内小売店では2020年7月から、プラスチック製レジ袋の有料化が義務づけられた。それに加えて大都市圏を中心に、コンビニエンスストアやスーパーマーケットではセルフレジが増設されている。前者は海洋汚染防止、後者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止や人手不足対策が理由だが、小売店やコンビニにとってはレジ袋購入費や人件費などのコストを削減できるのではないかとの期待もあった。だが、その期待を打ち砕く懸念が出てきた。万引の増加だ。

エコバッグを使った万引が増加

レジ袋有料化に伴い、自前のエコバッグを利用する買い物客が急増した。万引犯はカバンやバッグに盗んだ商品を潜ませて店外に出る手口がほとんど。無料だった頃は、大半の買い物客がレジ袋を利用していたため、店側も怪しい動きをする買い物客をチェックしやすかった。ところがほとんどの買い物客がエコバッグを使うようになると、注意を払う対象者が増えて監視の目が行き届かない可能性が高まる。

エコバッグの普及が始まった2010年に、NPO法人全国万引犯罪防止機構が全国のスーパーやコンビニ計319社にアンケートを実施したところ、約4割の117社が「バッグを使った万引が増えている」と回答したという。大半の客がエコバッグを利用するようになった7月以降は、さらに万引被害が増加している可能性が高い。

すでに深刻な被害にあった小売店もある。関東最大級の店舗面積と在庫数を持つ茨城県土浦市の古書店「つちうら古書倶楽部」で、エコバッグによる万引が多発。同店によると「以前から万引はあったが、レジ袋有料化でエコバッグの持参が増えてからは特に多くなった」という。同店は開いた状態のエコバックはレジに預けるよう、張り紙で呼びかけている。