旅行会社大手のJTB(東京都品川区)は9月1日に、新型コロナウイルス感染症対策としてPCR検査、抗体検査キット販売、感染症対策コンサルティングの3つの支援サービス事業に乗り出す。 

企業による経済活動の再開や継続のためには感染症対策が不可欠と判断し、3つのサービスごとに専門の企業と連携して実施するもので、従業員や顧客の安全対策のほか、緊急時の行動計画や感染症の拡大防止策などについて幅広く支援する。 

他の先進国と比べ日本のPCR検査能力は依然として低いだけに、今後もPCRビジネスへの参入が相次ぎそうだ。 

研修や株主総会で活用 

JTBは、PCR検査と感染症対策コンサルティングについて、医療福祉業界の経営コンサルティング事業を手がけるエムスリーグループのシーユーシー(東京都中央区)とシーユーシー・アイデータ(東京都中央区)の2社と連携する。 

唾液によるPCR検査キットを用い、自身で唾液を採取後、指定検査機関に郵送する方式で検査を行う。10人以上からの検査を受け付け、検査結果が陰性の場合は、陰性証明書も発行する。 

抗体検査キットの販売はヘルスケア事業を手がけているプロルート丸光(大阪市)と連携する。微量採血キット、抗体検査キットで構成し、結果はその場で確認できる。また検査は適切な管理が必要なため、産業医を選任している企業向けに販売する。 

感染症対策コンサルティングは感染症対策マニュアルの作成をはじめ、医療情報の共有、マニュアルのアップデート、濃厚接触や接触者のリストアップ、健康観察などのサポートを行う。 

同社では新入社員研修やミーティング、株主総会などの企業ニーズのほか、入学式や卒業式、スポーツ大会などでも需要を見込んでいる。 

国民の不満解消は? 

PCR検査を巡っては、NPO法人などが芸術団体などにPCR検査を届けるためのクラウドファンディングを開設しているほか、1万円以下の低価格でPCR検査を実施する企業が現れるなど動きが活発化している。 

一方、企業側にも出張の際や、商談や会合などに出席する際に、陰性証明書を携帯するニーズが高まっている。 

国や自治体によるPCR検査体制は徐々に整ってきたものの、希望しても検査が受けられないなどの状況は改善されないまま。 

民間企業によるPCR検査サービスは、こうした国民の不満をどこまで解消できるだろうか。

文:M&A Online編集部