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【オリンパス】M&Aを粉飾に利用 医療を軸に再成長へ

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【財務分析】医療事業が成長、危険水域から脱出

 ここで、オリンパスの財務の変遷を辿ると、下記のようになっている。

 一時期はのれんの比率が自己資本比率を上回っている状態が続いていたため、かなり危険な状態にあったと言える。さらに、こののれん代の大半がジャイラス買収の際ののれんであったため、状況はより深刻だった。万が一にでもジャイラスののれん代について、監査法人から減損処理を求められた場合、債務超過すれすれまで財務内容は落ち込んでいたという状況である。こうした状況に耐えられたのも、堅調に推移していた医療分野があったからである。

 現在は、本業である内視鏡を中心とした医療事業によって財務体質は回復を果たしている。

 次に、セグメント別の売上推移を見てみる。

 2007年3月期に、ITXの買収により初めて売上高1兆円を達成し、2008年3月期までは上り調子であった。一方で、かつて主要事業であった映像分野は年々売上高を落としている状況で、事業ポートフォリオも転換点を迎えていたと言える。したがって、不正に利用されたジャイラス社の買収も、医療分野の強化という観点から見れば、必要なM&Aであったと捉えられる。

 これらの攻めのM&Aから一変して、2011年の粉飾事件以降、ITXの売却を始めとして、事業の見直しが図られていくこととなる。さらに、ソニーからの資本の受け入れにより強固な財務体質を手に入れた。これらの施策の結果、オリンパスは今次のステージに来ていると言ってよいかもしれない。

 2016年から始まる中期経営計画のなかで、医療分野におけるトッププレーヤーを目指すとともに、将来事業の獲得にも注力していくと発表している。ただ、将来事業といっても、関連性の無い分野へは進出しないと明確にビジョンを掲げており、現在の顧客チャネルの活かせる分野がターゲットになるものと思われる。

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