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【電通】クロスボーダーM&Aで“世界の電通”へ

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※画像はイメージです

電通<4324>は1906年設立。光永星郎が01年に設立した日本広告及び06年に設立した日本電報通信社の2社が合併し発足した。36年、日本電報通信社が有したニュース通信部門を売却し、広告代理店専業となる。

 2015年3月期よりIFRSを適用しているため、決算短信上の収益(ネット売上高)は7064億円であるが、「顧客に対して行った請求額及び顧客に対する請求可能額の総額」として公表しているグロス売上高は連結で4兆5260億円。2位の博報堂(連結売上高:1兆1130億円)、3位のアサツーディ・ケイ(連結売上高:3519億円)を大きく引き離し、国内広告業界の首位を独走している。

 電通は日本のみならず、15年の売上総利益に基づく広告コミュニケーション産業のランキング(『アドバタイジング・エージ』誌発表)においても世界5位を記録する、グローバルな企業集団である。

 そうは言っても、今でこそグローバルな地位と活発なクロスボーダーM&Aのイメージを持つ電通であるが、意外にも10年頃までは国内での売上高が90%以上のドメスティックな企業であった。00年代前半までの海外展開は主に日本の電通を海外に輸出するというスタイルで、自前で拠点をつくり、人を雇うことで海外への足掛かりを得る形を取っていた。

 転機となるのは13年4月の英国イージス社の買収であるが、まずはそれ以前をかいつまんで見て行きたい。

■これまでに行った主なM&A

年月 内容
2004.6 スポーツマーケティング会社のワールド・スポーツ・グループ・ホールディングス(シンガポール)の株式の30%を買収。
2004.9 韓国における電通関連会社である電通イノベック(売上高35億円)の株式を40%から85%まで追加取得。
2005.8 電通国際情報サービスを通じて、ソフトウェア開発のブレイニ―ワークス(売上高100億円)の株式を66.1%から95.3%まで追加取得。
2005.11 電通国際情報サービスを通じ、IT分野で協業していた兼松エレクトロニクス(売上高631億円)の株式の12%を34億2000万円で譲渡。
2005.11 CRMの専門会社であるインターロジックス(売上高5億円)の株式を14.71%から50.01%まで追加取得、子会社化。
2005.11 電通国際情報サービスを通じ、ITコンサルティングなどを手掛ける日本ビジネスクリエイト(売上高7億8000万円)の株式75.6%を5億4000万円で譲渡。
2005.11 株式交換により連結子会社の電通テック(売上高1569億円)の株式の31.1%を約131億円程度で追加取得、完全子会社化。
2006.3 電通国際情報サービスを通じ、コンピュータ解析・コンサルティングのエステック(売上高9億円)の株式の100%を買収。
2006.3 セールスプロモーションや交通広告を得意とする名鉄エージェンシー(売上高159億円)の株式の50%を買収。
2006.7 大型撮影用スタジオの運営を行う横浜スーパーファクトリー(売上高7億円)の全株式を9600万円で買収。
2006.9 キャラクター・マーチャンダイジング業界大手のソニー・クリエイティブプロダクツ(売上高74億円)から第三者割当増資の引受により株式の33.33%を買収。
2007.10 英国及び米国のクリエーティブ・ブティックのアティック社の株式の100%を買収。
2007.12 公開買付によりeマーケティング事業に強みを持つオプト(売上高255億円)の株式の18.1%を102億円で買収。
2008.4 キャラクター・マーチャンダイジング業界大手のソニー・クリエイティブプロダクツ(売上高74億円)の株式の33.33%を譲渡。
2008.11 ビデオグラム販売を行うジェネオン・エンタテイメントの株式の過半数を米国のUPIEに譲渡、ジェネオン・エンタテイメントとUPIEの日本法人UPJが合併
2008.11 米国の独立系広告会社のマックギャリー・ボウエン社(売上高51億円)の株式100%を買収。
2009.3 公開買付によりインターネットやモバイルメディアの広告の取扱いを行うサイバー・コミュニケーションズ(売上高517億円)の株式を85億円で追加取得(47.49%→84.59%)。
2009.5 株式交換によりサイバー・コミュニケーションズ(売上高517億円)の株式13.95%を買収、完全子会社化。
2009.7 サイバー・コミュニケーションズの子会社でありSEMを中心とするインターネット広告事業の電通サーチ&リンクの株式20%を譲渡。サイバー・コミュニケーションズは引き続き51%保有。
2009.10 DPZ社との合弁により設立したブラジルの電通ラテンアメリカの株式49%を買収、完全子会社化。
2010.1 店頭・街頭販促を手掛ける中国のサントレンドグループ(売上高251億円)の株式40%を買収。
2010.1 デジタル・マーケティング・サービスを展開するイノベーション・インタラクティブ社(米国)の株式100%を買収、完全子会社化。
2010.12 マーケティングサービス提供のオプト(売上高506億円)の株式14.4%を譲渡。
2010.12 製造業向けコンサルティングのITIDの株式34パーセントを買収、完全子会社化。
2011.1 インドにおける総合広告代理店である電通コミュニケーションズ、電通マーコム、電通クリエーティブ・インパクトの(インド)株式26パーセントを買収、完全子会社化。
2011.2 デジタル・クリエーティブ・エージェンシーのファーストボーン・マルチメディア社(米国)の株式100%を買収、完全子会社化。
2011.6 独立系のデジタル・マーケティング・エージェンシーのステーキ・グループ社(英国)の株式100%を買収、完全子会社化。
2012.1 独立系広告代理店のMLロジャース(米国)の株式100%を買収、電通ネットワーク・ウエストに吸収合併
2012.2 フランスの広告代理店であるピュブリシスグループとの戦略的提携契約を解除し、同社の株式9.31%を約664億円で売却。2%のみ継続保有。
2012.4 子会社の電通ネットワーク・ウエストを通じ、独立系デジタルエージェンシーのラブ社(ブラジル)の株式100%を買収、完全子会社化。
2012.5 インターネットサイト運営のカカクコム(売上高200億円)の株式15.06%をカルチュアコンビニエンスクラブ(CCC)から買収。
2012.6 カナダの広告会社ボス社(売上高約18億円)の株式100%を買収、電通ネットワーク参加の電通カナダに吸収合併
2013.1 米国の独立系PR会社ミッチェル・コミュニケーション・グループ(売上高約9億円)の株式100%を買収、完全子会社化。
2013.3 メディア・デジタル領域に強みを持ち、欧州に堅固な事業基盤を確立する英国の広告会社イージス社(売上高1兆4,996億円)の株式100%を4090億円で買収、完全子会社化。
2013.4 電通イージス・ネットワーク傘下のイージス・メディアを通じて、中国のデジタルメディア・エージェンシーである北京创世奇迹广告有限公司の株式100%を買収、完全子会社化。
2013.4 電通プラスを通じてタイのコンサルティング会社ブランドスケープ社(売上総利益1億1000万円)を買収。
2013.5 電通イージス・ネットワークを通じて、企業のブランド戦略を支援するベルギーのニューワールドグループ(売上総利益約17億円)の株式100%を買収。
2013.5 電通メディア・アンド・ホールディングス・インディアを通じて、インドのデジタル・クリエーティブ・エージェンシーのウェブチャットニー・スタジオ社(売上総利益3億1000万円)の株式80%を買収。
2013.5 電通イージス・ネットワーク傘下のイージス・メディアを通じ、ルーマニアのデジタルメディア・エージェンシーのKinecto International SRLの株式100%を買収。キネクト・アイソバーに社名変更。
2013.7 イージス・メディア・イタリアを通じて、イタリアのインターネット広告会社シンプル・エージェンシー(売上総利益約35億円)の株式約70%を買収。
2013.9 イージス・メディア・イベリアを通じて、スペインの広告会社ワイメディア(売上総利益13億9000万円)の株式51%を買収。同時にワイメディアが出資するスペインの広告会社ウインクの株式31.8%を買収。
2013.9 電通イージス・ネットワーク傘下のイージス・メディア・チャイナを通じて、中国のデジタル・クリエーティブ・エージェンシーのTRIO社(売上総利益5億5000万円)の株式100%を買収。トリオ・アイソバーに社名変更。
2013.10 イージス・メディア・ロシア&CISを通じて、ロシアの広告会社トラフィック(売上総利益6億3000万円)を買収。トラフィック・アイソバーに社名変更。
2014.2 電通イージス・ネットワークを通じて、中国のソーシャル・クリエーティブ・エージェンシーのベラウォム社(売上総利益3億4000万円)の株式100%を買収。
2014.2 電通イージス・ネットワークを通じて、ドイツのデジタル・マーケティング・エージェンシーのエクスプリード社(売上総利益16億4000万円)の株式100%を買収、完全子会社化。
2014.3 電通イージス・ネットワークを通じて、フランスのモバイルエージェンシーのレ・モビリザーズ社(売上総利益1億1000万円)の株式100%を買収、完全子会社化。
2014.5 電通イージス・ネットワーク傘下の米国イージス・ライフスタイル社を通じて、米国の総合マーケティング会社のMKTG(売上総利益43億3000万円)の株式100%を買収、完全子会社化。(※プレスリリースは買収手続き開始のみ)
2014.9 電通イージス・ネットワークを通じて、米国の総合デジタルエージェンシーのコバリオ(売上総利益34億4000万円)のエージェンシー部門を買収。
2014.12 電通イージス・ネットワークを通じて、英国のソーシャルメディア・マネジメント・エージェンシーのテンペロ(売上総利益7億8000万円)の株式100%を買収。
2014.12 電通イージス・ネットワークを通じて、ブラジルで屋外・交通広告を専門とするOOHプラス(売上総利益7億4000万円)の株式100%を買収。
2014.12 電通イージス・ネットワークを通じて、カナダのデジタルエージェンシーのスポーク(売上総利益1億7000万円)の株式100%を買収。
2015.1 電通イージス・ネットワークを通じて、インドの総合デジタルエージェンシーのWATコンサルト(売上総利益3億2000万円)の株式90%を買収。段階的に100%まで取得することに同社株主と合意。
2015.4 電通イージス・ネットワークを通じて、米国のデータ分析・消費者インサイトに基づくコンサルティング会社のフォーブス・コンサルティング(売上総利益9億2000万円)の株式100%を買収。
2015.4 電通イージス・ネットワークを通じて、イスラエルのデジタルエージェンシーのアバガダ・インターネット(収益6億2千万円)の株式100%を買収。
2015.6 電通イージス・ネットワークを通じて、ポーランドのデジタル・パフォーマンス・エージェンシーのマーケティング・ウィザーズ(収益2億9000万円)の株式100%を買収。
2015.7 電通イージス・ネットワークを通して、ブラジルのデジタルエージェンシーのリダイレクト・デジタル・マーケティング(収益1億6000万円)の株式100%を買収。
2015.7 医療用医薬品のマーケティングに特化したシナジーメディカルコミュニケーションズ(売上高8億2000万円)の株式100%を買収。
2015.10 電通イージス・ネットワークを通して、フランスでアクティベーション領域に強みを持つマーケティング会社のゾーンフランシェ(収益5億9000万円)の株式100%を買収。
2015.12 電通イージス・ネットワークを通して、フィリピンのクリエーティブ・エージェンシーののジェイミーサイフー・グループ(収益4億3000万円)の株式70%を買収。今後段階的に100%まで取得することを同社株主と合意。

 イージス社買収以前の電通は国内でのM&Aが比較的多い。

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