業種で目を引いたのはオークション関連。美術品オークション大手のShinwa Wise Holdingsは同業のアイアート(東京都港区)を子会社化する。両社は競合関係にあるが、経営の一体化で国内外での競争力向上を目指す。美術品の価格はバブル崩壊以降のデフレ経済の中で一貫して低迷が続き、市場の流通量も大幅に減っている。
同じく美術品オークションのエスト・ウェストオークションズ(東京都品川区)を子会社化するのは、ブライダル用宝飾事業のNEW ART HOLDINGSだ...
2021年上期(1~6月)のM&A件数を業種別にみると、サービス業が6年連続で増加するとともに、製造業や情報通信業を抑え、2年連続で件数トップに立った。前年に後退が顕著だった製造業は持ち直し傾向にある。
コロナ禍は収束の兆しが見えない状況にあるが、世界経済は改善に向けて歩みを強めている。こうした中、日本のM&A市場はどう動くのか。2021年の見どころなどを、シティグループ証券M&A本部マネジングディレクターの中塚健介さんに聞いた。
M&Aの分野でも「東京一極集中」が際立っている。東京都は2位の大阪府を6倍近く引き離して断トツだ。これに続いて3大都市圏近郊の府県が上位に顔をそろえるが、福岡県、北海道の地方の両雄がそろって上位10にラインクインする。
TOB件数は前年同期よりも3件、今第2四半期よりも3件多い12件。第3四半期としては2010年以降の11年間では2011年の21件、2016年の14件に次ぐ3番目(2010年、2018年と同件数)の水準だった。第1-3四半期累計では36件。