【7月M&Aサマリー】62件、3カ月連続で前年を下回る|金額も振るわず

alt
インプレスHDの傘下に入ることになった「イカロス出版」(東京都新宿区の本社)

美術品オークションで動き

業種で目を引いたのはオークション関連。美術品オークション大手のShinwa Wise Holdingsは同業のアイアート(東京都港区)を子会社化する。両社は競合関係にあるが、経営の一体化で国内外での競争力向上を目指す。美術品の価格はバブル崩壊以降のデフレ経済の中で一貫して低迷が続き、市場の流通量も大幅に減っている。

同じく美術品オークションのエスト・ウェストオークションズ(東京都品川区)を子会社化するのは、ブライダル用宝飾事業のNEW ART HOLDINGSだ。多角化分野の絵画販売を中心とするアート事業の成長促進につなげる狙い。

このほか、通販サイト関連も2件。ロコンドはサッカー・フットサル商品の通販サイトを運営するフェアプレイ(東京都世田谷区)を傘下に収めた。ロコンドは靴を軸に通販サイトを手がけるが、スポーツ分野を強化する。

衣料・家電リユースのワットマンはフィギュアを中心にホビーグッズを取り扱うホビーサーチ(東京都墨田区)を子会社化した。ホビーサーチは国内外54万人のユーザーを持ち、北米など海外売上高が半分以上を占める。

敵対的TOB、長丁場にケリ

敵対的TOBに発展していた2つの案件も一応、ケリがついた。一つは投資ファンドのMETA Capital(東京都港区)が澤田ホールディングスの子会社化を目的としていたTOB。昨年2月に始まり、延長が繰り返され、343日(7月16日まで)に及んだ末に不成立に終わった。

もう一つは1月末から120日を超える攻防戦となっていたフリージア・マクロスによる日邦産業のTOB。フリージアは最大で27%余りの株式取得を目指していたが、日邦産業の買収防衛策に関する名古屋地裁への仮処分申し立てが棄却される見通しとなったのを踏まえ、TOBを撤回した。

◎7月M&A:取引金額上位(10億円超)の案件

1 サカイオーベックス 株式の非公開化へMBOを再実施 216億円
2 DeNA ライブ動画配信事業のIRIAM(東京都渋谷区)の株式を追加取得し子会社化 120億円
3 ジャパンディスプレイ 液晶モジュール設計・製造の台湾子会社KOEを現地社に譲渡 80億円
4 インプレスホールディングス 月刊誌「エアライン」などのイカロス出版(東京都新宿区)を子会社化 13.6億円
5 Macbee Planet AIマーケティングプラットフォーム運営のAlpha(東京都渋谷区)を子会社化 12.4億円
6 ジャパンインベストメントアドバイザー 岡藤日産証券ホールディングス傘下の三京証券(東京都中央区)を子会社化 11.8億円
7 電算システムホールディングス ネットワーク機器設計・開発のマイクロリサーチ(東京都品川区)を子会社化 11.2億円

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

M&Aの多い業種は?|サービス業 2年連続首位、製造業は持ち直し

M&Aの多い業種は?|サービス業 2年連続首位、製造業は持ち直し

2021/07/13

2021年上期(1~6月)のM&A件数を業種別にみると、サービス業が6年連続で増加するとともに、製造業や情報通信業を抑え、2年連続で件数トップに立った。前年に後退が顕著だった製造業は持ち直し傾向にある。

関連のM&Aニュース