M&Aの多い業種は?|サービス業 2年連続首位、製造業は持ち直し

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東証…M&Aに関する「適時開示」が連日続く

2021年上期(1~6月)のM&A件数(適時開示ベース)は前年同期比26件増の447件となり、上期として2008年(468件)以来13年ぶりの高水準で推移した。業種別にみると、サービス業が6年連続で増加するとともに、製造業や情報通信業を抑え、2年連続で件数トップに立った。前年に大幅に後退した製造業は持ち直し傾向にある。

サービス業が続伸、上期に119件

上場企業に義務づけられた適時開示情報のうち、今年上期のM&A全447件について、M&A対象となった業種(買い手、売り手の業種とは関係ない)を集計した。

それによると、サービス業が前年上期比10件増の119件、製造業が同13件増の99件、情報通信業が同7件増の98件、商業が同16件減の57件。サービス業の内訳をみると、人材サービスが16件(前年上期と同数)と引き続き高水準だったほか、介護・福祉が12件(同5件)に倍増した。

情報通信業の牽引役はIT・ソフトウエア。全98件中、IT・ソフトは86件と大部分を占め、2018年の44件からほぼ倍増した。

業種別では製造業、サービス業、情報通信業、商業が「4強」。2020年は年間ベースで製造業が174件と前年から40件以上減り、首位の座をサービス業に明け渡し、増勢が続く3位の情報通信業(169件)とも僅差になった。

こうした流れを受け、2021年上期はサービス業、情報通信業が続伸した。情報通信業ではIT活用で生活やビジネスの変革を促すDX(デジタルトランスフォーメーション)関連で買収ニーズが膨らんだ。

製造業、2年ぶりに年間200件台か?

一方、製造業は昨年、米中貿易摩擦の激化に加え、コロナ禍に伴う生産活動の低下などで盛り上がりを欠く展開となった。しかし、今年に入ってからは食料品、繊維製品、化学、精密機器などが件数を伸ばし、2年ぶりに年間200件台を取り戻す勢いとなっている。

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4強の一角を占める商業は上期段階で2年連続で減った。調剤薬局・ドラッグストア(前年8件→今年2件)、外食・フードサービス(10件→7件)、衣料品小売り(6件→1件)などが件数を落とした。

建設業は21件と倍増し、電気工事(5件)とリフォーム・修繕工事(4件)で半数近くを占めた。

◎各年上期の業種別M&A件数(対象企業・事業の業種を集計。買い手・売り手の業種ではない)

2021 2020 2019 2018 2017 2016
水産農林 0 1 4 3 1 2
鉱業 1 0 0 0 1 0
建設 21 10 16 20 12 10
製造業 99 86 100 87 95 92
電気・ガス 6 8 4 5 7 2
運輸 8 7 6 5 7 3
情報通信 98 91 65 53 57 54
商業 57 73 76 44 60 57
金融 16 16 17 16 13 10
不動産・住宅 15 17 18 8 13 11
サービス 119 109 97 86 78 69
その他 7 3 1 4 7 12
合計 447 421 404 331 351 322

文:M&A Online編集部

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2021年1~6月(上期)のM&A件数(適時開示ベース)は447件と前年同期を26件上回り、3年連続で増加した。上期としては2008年(468件)以来13年ぶりの高水準で、昨年来の新型コロナウイルス感染拡大による経済環境の激変がM&A市場にとって追い風となった形だ。