3月期末の決算を控え、株主優待を新設・拡充する企業が相次いでいる。企業向けビジネスが主体の企業が新たに優待制度を設けたり、長期で保有する株主に対して優待内容を手厚くしたりしている。株主優待は企業が日頃の感謝の意味を込めて年1~2回、株主に送るプレゼント。優待の強化を通じて長期で保有してくれる個人株主を増やし、株価の下支えにつなげたい狙いがあるようだ。

M&A巧者の日本電産、初の株主優待

株主優待を新設した主な企業
社名     内容(一部抜粋を含む) 権利  確定 
日本電産 全ての株主に対して、日本電産サンキョーオルゴール記念館すわのね無料入館リーフレットを贈呈 3月末
日本水産 保有株式数 500 株以上 1,000 株未満の株主に対して 3,000 円相当の当社商品 2 品(イマークS 10 本、又はびん詰・缶詰セット)から選択 3月末
大王製紙 300株以上1,000株未満の株主に1,000円相当の当社商品 3月末
富士ソフト 100株以上を持つ株主に対してはがき・住所録作成ソフト『筆ぐるめ』(DVD版)Windows版を贈呈 12月末
コメダホールディングス 100 株以上の株主に対してコメダで利用できる 1,200 円分の電子マネーまたは自社商品詰め合わぜギフト 8月末、2月末
各社のホームページ、プレスリリースを元に作成

 M&A巧者として知られる日本電産<6594>。事業内容がモーターなど企業向けビジネスが主体のため、株主優待とは無縁の会社だったが、創業44年目にしてついに株主優待の導入に踏み切った。

 注目の優待内容はすべての株主に対して日本電産サンキョーオルゴール記念館すわのね無料入館リーフレットを贈呈するというもの。すわのねは長野県にあるオルゴールの博物館。日本におけるオルゴールの歴史やオルゴールづくりについて展示するほか、オルゴールの組立体験ができる工房も併設する。入館料は大人で1000円のところが無料になる。

 日本電産は株主優待の目的について「株主の皆様の日頃のご支援に感謝するとともに、当社株式を中長期にわたり継続して保有していただく」と説明している。

日水、魚成分の健康飲料

 日本水産<1332>が新設する株主優待は、同社が開発した青魚のサラサラ成分 EPA を主成分とした飲料「イマークS」またはびん詰・缶詰セットを選んで贈呈する。500 株以上 1,000 株未満の株主は3,000 円相当、1,000 株以上の株主は 5,000 円相当を受け取れる。

 日本水産は株主優待の新設と合わせて増配も発表した。2017年3月期末の配当を従来予想の2.5円から3.5円に増やす。10日の終値は561円だから、優待を受け取れる500株を投資するのに28万円。優待と配当を合わせた利回りは1.7%程度となる計算だ。

 このほか、大王製紙<3880>は300株以上を持つ株主に対してトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの自社商品を贈呈。富士ソフト<9749>、コメダホールディングス<3543>もそれぞれ表にある通り、優待を新設している。