グリー<3632>の業績にようやく底入れ感が出てきた。2日に発表した2016年10~12月期の連結決算は売上高が7~9月期比3%増の153億円と前四半期比で4年ぶりの増収となった。海外で取得したゲームタイトルが好調に推移するなど主力のゲーム事業に復調の芽が出ている。新領域として注力する動画事業では、動画コンテンツを企画・制作する3ミニッツ(東京・渋谷)の株式を取得し、子会社化すると同日発表した。純資産1億円のベンチャーに43億円を投じるグリーの狙いを探った。

 「動画メディア、広告、制作事業が足元で急拡大している。こうした会社を取り込んで攻めていくのがいいだろうと判断した」。2日、グリーが開催した決算説明会で田中良和社長は買収の狙いについて説明した。

 3ミニッツはファッション動画メディア「MINE BY 3M(マインバイスリーエム)」を運営する。2015年9月にサービスを開始し、ファッショントレンドに敏感な25~34歳の女性の支持を集め、累計利用者数は200万人を突破している。オリジナル動画コンテンツも制作し、月間再生回数は1億回。SNSへの分散を含む月間延べリーチ数は7500万人と国内最大級のインフルエンサーネットワークも誇る。

 3ミニッツの設立は2014年9月。ビジョンは「3分で世界にインパクトを」。同社ホームページによると社員数は70人で、取引先には日本コカ・コーラやナイキジャパンなど大手企業も名を連ねる。2016年8月期の売上高は4億4047万円、営業利益は4億7343万円の赤字だ。ただ売上高は前期の7倍に急拡大しており、今後の成長余地が大きそうだ。

 グリーは子会社を通じてスマートフォン向け動画広告配信プラットフォーム「AdColony」や動画制作・マーケティング支援の「WOOZ(ウーズ)」を手掛けている。グリーはセグメント別の業績を開示していないため、動画事業の規模は明らかになっていないが、決算説明会資料によると2016年12月の動画領域の売上高は前年同月に比べ3.5倍に拡大しているという。

 3ミニッツをグループに取り込むことで、20~30代女性ユーザーを抱える人気動画メディアを獲得できるうえ、動画制作やマーケティングのノウハウを強化できると判断したようだ。