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【ソフトバンク】(2)大型M&Aの新たな幕開け 3.3兆円でARM買収、次は10兆円ファンド

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ブレグジットで円高、株価上昇を相殺

 16年6月23日英国のEU脱退(ブレグジット)が決まり、為替相場は大荒れになる。6月23日の終値は1ポンドあたり157.9円という為替相場であったが、6月24日には134.8円と急激に円高が進んだ。7月18日の前営業日では138.2円という水準であり、6月23日終値より12.5%円高となった。仮に、買収価額240億ポンドを、1ポンドあたり157.9円で計算すると3.8兆円となり、3.3兆円と比較して約5000億円割高となっていた。

 ちなみに、ARMの株価はブレグジットによって上昇している。6月23日に1株当たり1019ペンスであった株価は、7月18日の前営業日には、1189ペンスとなっており、16.7%上昇している。孫氏は、為替と株価で相殺されている事から、ブレグジットは投資の意思決定には影響していないとした。ただ、実際の買収価格は、一株当たり1700ペンスであり、上昇した株価より高い。為替の影響により、割安になったとみるのが正しいのではないか。

日本電産永守氏「3300億円でも買わない」

 ソフトバンクの社外取締役であり、ファーストリテイリング<9983>会長兼社長の柳井正氏は、「絶対いくべきだ」との見解を示している一方、同じく社外取締役の日本電産<6594>会長兼社長の永守重信氏は、「3300億円でも買わない」(日本電産の決算発表でのコメント)という否定的な見解を示しているようだ。3300億円であれば、営業利益の1.5年分である。これは極端に安いとしても、シナジー効果が未知数である買収に否定的な見解を示すのは当然だ。

 また、ARMの取締役会は、この買収は、「将来価値を現在かつ現金にて確実に実現する提案であり、大変魅力的なものです」とコメントしている。M&Aは一般的に、買収企業と、譲渡企業でシビアな価額交渉が行われ、妥協点を探る事になるが、買収価額について十分に満足している事が伺える。交渉期間が2週間と超短期間であるし、アドバイザーを使った交渉により、買収価額が今より安くても買収できたのではないかという疑問を抱かないでもない。

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