1年半にわたり対立状態が続いていた富士フイルムホールディングス(HD)による米ゼロックスの買収問題が決着した。富士フイルムHDは5日、ゼロックスの買収を断念したと発表した。代わってゼロックスとの合弁関係を解消し、ゼロックスが25%保有する富士ゼロックス(東京)を11月中に完全子会社化する。買収合意しながら、これをゼロックスが一方的に破棄して法廷闘争に発展していた。
富士フイルムは事務機で米HPと並ぶ世界トップに立つ構想を描いたが、大型買収の頓挫で成長戦略の再構築を迫られる。もっとも、日本企業による海外M&Aの“誤算”は枚挙にいとまがない...
買収時の想定に 反して巨額損失の計上に追い込まれるM&Aは、いつの時代にも少なからず存在する。前回に続き、近年の事例を振り返り、考える契機としたい。
経営再建中の東芝は、子会社のウエスチングハウスが買収した米原子力事業で発生する減損損失が数千億円規模になる見込みであると公表し、話題になっています。