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【日産自動車】三度の「業界再編」でEV覇権を狙うか

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EVで大勝負に臨む日産

 日産の最大の強みは量産型電気自動車(EV)を持つこと。世界初の量産型EV「リーフ」が発売されたのは2010年12月のこと。当時は「次世代エコカーの主力は燃料電池車(FCV)」と言われており、リーフの存在感は小さかった。ところがFCVは燃料電池の価格低下が進まず、燃料供給インフラとなる水素スタンドが必要なために普及のめどがついていない。EVはバッテリー価格の低下と電気容量の増加が進み実用的な段階に入りつつある。加えて燃料供給インフラも電力さえあれば良いので、すでに世界のほとんどで整備済みだ。

 米テスラなどのライバルも存在するが、既存の大手自動車メーカーはEV量産には及び腰だ。それでも米カリフォルニア州や欧州、今や世界最大の自動車市場となった中国でハイブリッド車(HV)を含むエンジン搭載車の追放が始まっており、EVが次世代エコカーの主役に躍り出た。軽EVを量産する三菱自動車をグループに組み込んだことで、ルノー・日産アライアンスはEV市場での主導権も狙える。

EV覇権を狙ってホンダと提携か

 EVで出遅れたトヨタはマツダ<7261>、自動車部品メーカー大手のデンソー<6902>との共同出資で、幅広い車種に対応できるEVの基本構造に関する技術開発を手掛ける「EV C.A.Spirit」を設立した。資本金は1000万円で、出資比率はトヨタが90%、マツダが5%、デンソーが5%。今後はトヨタの子会社であるダイハツや資本関係のあるスバル<7270>が参加するとみられている。そうなれば日産と市場を二分する一大EV連合が登場することになるだろう。

 そうなると勝負を決めるのは、現時点で日産、トヨタのどちらのグループにも属さず。独自でEV開発を進めているホンダの動向だ。これまで通り独自路線を歩んでEV市場での第三極を目指すのか、それともルノー・日産アライアンスか、トヨタ・マツダ連合に参加して確実な勝利を狙いに行くのか。EV開発を急ぐ欧米メーカーと組む可能性もある。ゴーン会長はEV市場での覇権を確かなものにするためにホンダの取り込みに強い関心を持っているともいわれ、三菱自動車に続いてホンダへの出資やEV会社を共同で立ち上げるなどの大型M&Aが実現する可能性がある。これからも日産のM&A戦略から目は離せない。

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2017/10/29

完成車の不正検査が発覚した日産自動車。9月18日に国土交通省から指摘を受けた後も無資格の従業員が検査に関わっていた。10月19日、国内6工場の出荷停止を発表したが、コンプライアンス意識の希薄さは否定できない。不祥事の影響は日産にとどまらず日産の取引先、下請企業にも波及している。

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