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【クラレ】クロスボーダーM&Aでミラバケッソ

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クラレのミラバケッソはアルパカ ※画像とは関係ありません

ミラバケッソのCMでおなじみの株式会社クラレ<3405>は、岡山県倉敷市発祥の化学繊維メーカーである。同社は1926年に「倉敷絹織株式会社」の社名で化学繊維レーヨンの事業化を目的として大原孫三郎氏により設立された。競争が激化する化学製品の分野におけるクラレのM&A戦略について検証する。

【企業概要】ビニロン、クラリーノ、エバール・・・抜きん出た開発力

クラレの創業は1926年だが、1950年には日本初の合成繊維であるポバール繊維「ビニロン」を事業化、木綿に代わる合成繊維として学生服などに使われ、一世を風靡した。1964年には天然皮革の構造を再現した人工皮革「クラリーノ」を開発、ランドセル等に利用されロングセラー製品となる。1970年には社名を「株式会社クラレ」に変更し、天然ゴムと同じ構造を持つ合成イソプレンの事業化に成功、1972年にはあらゆる樹脂の中で最高レベルのガスバリア性を有するEVOH樹脂「エバール」を事業化する。

現在、ポバールとエバールを含む樹脂事業はクラレの売上の約4割を占め、同素材の世界シェアは70%を超える。また高分子・合成技術を活かした高機能繊維、樹脂、化学品分野の製品開発により、歯科材料、活性炭、マジックテープ(同社の登録商標)など、下表のように多角的に事業領域を拡大している。

樹脂ポバール樹脂フィルム、PVB樹脂フィルム、EVOH樹脂<エバール>フィルムの製造販売
化学品メタクリル樹脂、イソプレンケミカル、ポリアミド樹脂、歯科材料などの製造販売
繊維ポバール繊維<ビニロン>、人工皮革<クラリーノ>、不織布<クラフレックス>、面ファスナー<マジックテープ>、ポリエステル樹脂の製造販売
その他炭素材、水処理用高機能膜・システムの製造販売

M&A Online編集部作成

2000年代に入ると創業時の主力であったレーヨン事業からは撤退し、M&Aを積極的に活用したグローバル戦略に乗り出す。独自製品群のシェア拡大を世界展開することにより、世界市場においてニッチと見なされる市場分野でトップとなる「グローバルニッチトップ事業」の売上は、下図のように全体の約半分を占める。

2015年からは「GS‐STEP(Growth Strategy with Synergy, Technology, Eco-friendliness and Profitability)」と称する新中期経営計画をスタート。「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」というスローガンの下、化学製品におけるグローバルニッチトップ企業として、さらなる事業拡大を目指している。

【役員陣】現在は創業家一族による同族色はない

創業者の大原孫三郎氏は近代日本を代表する実業家であり、創業から4年後の1930年には大原美術館を開館したことでも知られるが、現在は創業家一族の経営ではない。

現社長である伊藤正明氏は9代目に当たる。1980年に大阪大学基礎工学部を卒業し、クラレに入社。事業部長、経営企画本部長等を経て2015年1月、社長に就任した。

【株主構成】株主の大半が金融機関

下表のように、創業家一族が大株主となっているということはなく、株主の大半が金融機関である。経営面とともに、資本面にも同族色はない。

株主名称 保有株式数(千株) 保有株式割合(%) 保有時価(百万円)
日本マスタートラスト信託銀行 29,120 8.21 48,712.6
日本トラスティ・サービス信託銀行 19,555 5.51 32,692.6
日本生命保険相互会社 10,448 2.94 17,444.0
全国共済農業協同組合連合会 10,102 2.85 16,910.0
資産管理サービス信託銀行 7,280 2.05 12,163.3
明治安田生命保険相互会社 5,969 1.68 9,968.0
NORTHERN TRUST 5,907 1.66 9,849.3
ステートストリートバンクアンドトラストカンパニー 5,738 1.62 9,612.0
STATE STREET BANK WEST CLIENT TREATY 5,211 1.47 8,722.0
日本トラスティ・サービス信託銀行 4,917 1.39 8,247.3

2016/12有価証券報告書より作成

また、下図の株主の構成を見ると、外国人の持ち株比率が高いという特徴があり、約35%が外国人である。

クラレHP(株主情報)より引用

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